修験者・山本秀道の奉還思想

大石凝真素美が36歳の時に弟子入りした修験者・山本秀道とは、一体いかなる人物だったのか。秀道は、文政10(1827)年2月16日に美濃国不破郡宮代村で正寿院秀道として生まれた。山本家は、江戸時代までは鉄塔山天上寺と称し、南宮山の一画に坊を構え、院号を正順院または正寿院と号する醍醐三法院に連なる修験の家であった。修験道は、寛政11(1799)年に光格天皇より「神変大菩薩」の諡号を受けた役行者役小角(えんのおづの)を開祖とする。伝説によると、役小角摂津国箕面山の大滝で、インドの僧ナーガールジュナ(龍樹菩薩)の「大いなる法」を授けられたという。
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