*腎動脈の閉塞

 腎動脈は2本あり、1本は右の腎臓に、もう1本は左の腎臓に血液を供給しています。これら2本の腎動脈はさらに、多数の細い動脈に枝分かれしています。腎動脈やその太い分枝が閉塞することはめったにありません。

  閉塞はたいていの場合、体内の別の部位で発生した血栓が流れてきて腎動脈でつかえて起こります(塞栓)。主に、心臓で発生した大きな血栓のかけらや、大動脈で形成された脂肪性沈着物(アテローム)の断片が塞栓を起こします。

症状
 腎動脈に部分的な閉塞が生じても、たいていは何の症状も出ません。

 しかし閉塞が進むと、腰やときには下腹部に間断なく、うずくような痛みが生じます。
 部分的な閉塞によって次第に血圧が上昇し、以前から高血圧だった場合には、片方もしくは両方の腎動脈が徐々に狭窄していくと、高血圧が突然悪化します。

腎動脈狭窄の原因になる線維形成異常症

 線維形成異常症(線維筋形成異常ともいわれる)は若い女性に多い病気で、原因は不明です。
 線維形成異常症になると、腎動脈の複数個所が狭くなり、片方または両側の腎臓で腎動脈狭窄が起こります。成人にみられる腎動脈狭窄の約10〜30%は、線維形成異常が原因です。
 線維形成異常による腎動脈狭窄は、しばしば高血圧を引き起します。

腎動脈にEg入れ血栓・アテローム ぬく