最近30年間に出現した新たな感染症


1967 マールブルグ・ウイルス    輸入ミドリザルから感染
1969 ラッサ・ウイルス       西アフリカの風土病
1969 エンテロ・ウイルス70     急性出血性結膜炎
1973 ロタ・ウイルス        小児の下痢
1976 エボラ・ウイルス       ザイール・スーダンで発生
1976 クリプトスポリジウム     下痢
1977 レジオネラ菌         在郷軍人
1977 ハンタ・ウイルス       腎症候性出血熱
1977 カンピロバクター       下痢
1980 ATLウイルス(HTLV-1)   成人T細胞白血病
1981 ヒト免疫不全ウイルス(HIV) エイズ
1982 ボレリア菌          ライム病
1982 黄色ブドウ球菌(TSST)    毒素性ショック症候群
1982 大腸菌0157          腸管出血性大腸菌
1983 ヘリコバクター・ピロリ    胃潰瘍
1985 エンテロサイトゾーン     持続性下痢
1985 スリレイビープリオン   牛海綿状脳症狂牛病
1986 サイクロスポーラ     持続性下痢
1988 HHV-6          突発性発疹
1988 E型肝炎ウイルス
1988 C型肝炎ウイルス
1989 エールリッヒア菌     エールリッヒア症
1991 グアナリト・ウイルス   ベネズエラ出血熱
1991 エンセファリトゾーン   結膜炎
1992 コレラ菌0139      コレラ
1992 バルトネラ・ヘンセレ   ネコひっかき病
1994 ヘンドラ・ウイルス    オーストラリアでウマとヒトが感染
1994 サビア・ウイルス     ブラジル出血熱
1995 G型肝炎ウイルス
1997 トリインフルエンザ・ウイルス 香港で流行
1998 ニパ・ウイルス        マレーシアで発生
2000 ホワイトウォーターアロヨ・ウイルス 米国カリフォルニアで発生


感染症に関する話題が多い中で、世界のあちこちでやたらに「謎の感染症」が発生していることが、気になって仕方がなかった。

やれ「ニューヨークで殺人ウイルス発生」「人食いバクテリアが日本列島を襲う」「マレーシアで新しい病原体発見」「感染止まらぬ、謎の疫病・ブルーリー潰瘍」といった具合である。

 日本人はいつの間にか「超清潔志向」に全員がなってしまった。

寄生虫を排除し、身の回りの「共生菌」まで徹底的に追放してしまった。

その結果、日本人は微生物に対する抵抗力を弱めてしまったのだ。現実に外国に行って日本のヒトだけが、感染症にやられるという現象が増えてきたことが証拠としてあげられる。

 無菌国家に慣れ、無防備な生活態度を続けている日本人があぶない。

 熱帯雨林には約三六〇〇種のウイルスが確認されている。それらのウイルスは、各自、熱帯雨林の中で、豊富に存在する野生動物を自然宿主として、自然に世代交代を続けているのである。

 人間はこれらの熱帯雨林を開発するという、自分勝手な行動をとり始めた。そして、人間は未知の自然環境に身を置き、未知の動物と接触するようになった。

 その結果、それらの動物を自然宿主にしているウイルスの襲撃に遭うようになったのだ。ウイルスは新しい宿主に出合うと、猛烈な攻撃を開始する。

 これが、新しいウイルスが「殺人ウイルス」となる理由である。

 そればかりではなかったのだ。過去に制圧されたはずの結核コレラジフテリア、ペスト、サルモネラ症、百日咳、狂犬病マラリアデング熱、劇症型溶血性レンラ球菌感染症などが、耐性菌として叉出て来た。


超近代的ビルで起こるレジオネラ感染

 もはや日本人は、夏の日、クーラーのない部屋では生きられなくなっている。

 人間はより快適を求めるために、夏はクーラー、冬はヒーターなどの冷暖房器具を開発してきた。
 快適を求めたために、現代人は清潔な都市空間に好んで住むようになり、自然から遠ざかり、いろいろな微生物と接触する機会も少なくなった。

 しかし、もし人間が住居のシステム管理などを行なわず、空調用冷却塔や加湿器などを発明していかなければ、僕たち人間の前には出現してこなかった微生物がある。

 レジオネラ菌は、普段は湿った土壌や河川、湖沼に静かに棲息している。土地の掘削工事などによりレジオネラ菌は空中に舞い上がる。

 レジオネラ菌を含んだ土ぼこりは、空調用冷却塔や給湯水、浴槽水や噴水などの修景用水などの水利用設備に入る。

 ビルの屋上などに設置された冷却塔では、水を気化熱で冷やす必要から水滴をつくるためファンがまわっている。

 それから発生したミスト(霧状の細かい粒子)は、屋上に設けられた空気取り入れ孔から入り、各部屋に冷風として送られる。

 健康な人なら、この冷風に混じって送られたレジオネラ菌を肺に吸入しても、何も起こらない。咳や痰として排出されたりする。
 しかし、いろいろな微生物とのつき合いをやめたため免疫能が低下している人や、新生児や高齢者などで免疫能が落ちている人では、このレジオネラ菌が肺胞のマクロファージという細胞の中で増殖を開始するのだ。

 この結果から見れば、微生物は人類にとって侵略者としてのイメージしかない。

 しかし、よく考えてみると、これらの伝染病を起こす微生物は、もともと特定の地域に固着し、時たま限定的な小さな流行を起こす程度の「風土病」にすぎなかった。
 つまり、これらの病気を起こす微生物は、自然界の中で昆虫と動物との間で長い時間をかけて自然感染のサイクルを成立させ、共に生活してきたものだ。

 すなわち、それぞれの存在が地域環境と適応したものとなっていたのだ。

 しかし、最近では海外勤務や旅行者の増加による「輸入感染症」としてのマラリアが増えてきている。
 旧厚生省への報告例では、一年間に一〇〇例前後のマラリア患者が日本国内で発生しているということだが、東京慈恵会医科大学の大友弘士教授によると、実際の数ははるかに多く、マラリアによる死亡者も年間相当数になるだろうということだ。

対応
 時空研では

 患部から該当ウイルス等抜くだけ・・・

   解らなければウイルスだけでもよい。