リンパどろどろ度チェック


老廃物や余分な水分を体外に排出するリンパは、体の調子を整える重要な役目を担っています。

リンパの流れがさらさらなのか、どろどろなのかを、特定の筋肉をスムーズに動かすことができるかどうかでチェック!また、その筋肉の動きは、特定の内臓に流れるリンパの流れの良し悪しを判断するひとつの指標になります。

リンパとはどんなもの?

リンパは排水管のような役割を果たす体液のひとつ

 人間の体には、血管とは別にリンパ管が網の目のように張り巡らされています。リンパ管はリンパ節と呼ばれる中継地点でつながっています。

そして、そのリンパ管の中にはリンパ液が流れています。このリンパの「管」「節」「液」などをまとめて「リンパ」、あるいは「リンパ系」といいます。

 リンパ液や血液といった体液は、心臓を起点として出て行き、全身を巡って再び心臓に帰ります。
血液は心臓から勢いよく押し出され、動脈を流れて全身の細胞に酸素や栄養を運びます。そして、各細胞から老廃物や二酸化炭素などを回収し、再び心臓に戻ります。
そのときに通るのは静脈ですが、あふれてしまった老廃物はリンパ管内に入り、リンパ液となります。つまり、リンパ管は、体内で不要になった毒素や老廃物、疲労物質などを運ぶ排水管のような役割を果たしています。

リンパの流れが悪くなると体内に不要なものが蓄積

 血液は心臓というポンプによって流れをつくりだすことができますが、リンパ管にはこの役割をするものがありません。

したがってリンパ液はゆっくり流れており、筋肉の収縮や運動などの刺激によってスムーズに流れていく仕組みになっています。

中継点であるリンパ節が、リンパ液の逆流を防ぐための弁となっていますが、リンパ液の循環は運動不足や疲労、ストレスなどの影響を受けやすく、流れが悪くなりがち。

こうなると、リンパ節がうまく開かなくなり、いっそう流れが悪くなります。こうして体内に毒素や老廃物、疲労物質、余分な水分が蓄積され、リンパはどろどろになってしまうのです。

リンパの働きとは?

体に不要な老廃物を運搬する働き

 リンパには、大きく分けて二つの働きがあります。一つめは、前にも触れましたが、運搬(排泄)機能。死んだ細胞、タンパク質、脂肪、糖質、乳酸、毒素、二酸化炭素、化学物質、細菌、ウィルス、余分な水分などを運んで体外へ排泄し、体の仕組みをつかさどる働きを備えています。

 通常、これらの老廃物は静脈に取り込まれて心臓に戻ってきますが、取り込めないあふれた分の老廃物は、リンパ管に流れ込みます。

つまり、リンパ管が静脈の代わりに老廃物を運搬し、老廃物をろ過してきれいにしながら再び静脈に戻すのです。

そして、リンパ液の中の老廃物は、最終的に鎖骨あたりにあるリンパ節に集められ、やがて腎臓から尿として排泄されます。

細菌など退治する免疫機能をも担う

 リンパのもう一つの働きは、体を病気から守る免疫機能です。

リンパ節がフィルターの役割を果たし、老廃物や体の外から侵入してくる細菌、ウィルスをろ過し、全身にそれらが回ってかぜをひいたり、病気にかからないように防御しているのです。

 また、リンパの組織には、白血球の一種である「リンパ球」が存在し、このリンパ球は細菌やウィルスの性質を記憶し、同じ病原菌が再度体内に侵入したとき、抗体をつくって体を守るわけです。

 リンパ節がはれて痛むときは、リンパ節が病原菌と戦っている証拠。つまり、リンパ節はさまざまな細菌・ウィルスなどから体を守る最後の砦といえます。

リンパが健康を左右する

現代はリンパの流れが滞る原因がたくさん!

 リンパ管にはポンプのような働きをするものがなく、しかも毛細血管のように細い管。そのため、中のリンパ液は、まわりの筋肉の動きや近くの血液が押し出されるように流れています。

 しかし、運動不足で筋肉の刺激が少なかったり、不規則な食生活やストレス、体の冷えなどによって血行不良になったり、老廃物が必要以上にたまると、とたんに流れが悪くなります。

つまり、現代の生活にはリンパの流れを悪くする原因がたくさんあるのです。
水分や毒素がたまって健康&美容にもマイナス

 リンパの流れが悪くなると、体内に不要なものを抱え込み、どんどん大きな分子になってどろどろになり、いっそう流れが悪くなります。

そのような状態で汚れたリンパ液が体内に停滞すると、体中に老廃物が循環していくことになります。そしてリンパ節の働きも鈍くなり、免疫力も低下します。

その結果、かぜをひきやすくなったり、さまざまな感染症にかかる危険も。
 また、老廃物の中には疲労物質も含まれています

。疲れやだるさ、首や肩のこりなどがなかなか解消されなかったり、セルライトや肌荒れの原因にもなります。

 さらに、リンパの流れが滞ると、リンパ管に入って行けない体液が細胞の間にたまることになり、むくみとなって現われます。

水の重さで下へ下へと垂れ下がろうととし、ボディラインのくずれを招くことに。このように、どろどろのリンパは健康&美容両面でさまざまな障害を引き起こす要因となるので、常にさらさらにしておくことが必要です。

リンパと骨格の深い関係

体のゆがみはリンパの流れを悪くします

 健康を支える大切な役目を持つリンパは、骨格筋の隙間を通って流れています。
骨格筋とは骨と骨をつなぐ筋肉で、姿勢の保持したり、体を動かしたりするときに使われます。骨格のずれという言葉をよく聞きますが、これはレントゲンでもわからない骨格のほんの小さなゆがみのこと。

骨格のゆがみは骨格筋にも作用し、リンパの流れを悪くします。

 骨格のゆがみは、体のクセによっても引き起こされます。体のクセとは、足の組み方、バッグの持ち方、立ち方など、日常生活の中で何気なく行なっている動作の傾向です。

たとえば、立つときは右の足に重心がかかっている、バッグはいつも右肩にかけているなど。体の片側だけを使うことで左右の筋肉のバランスがくずれ、骨格のゆがみにつながります。

よい姿勢をキープ。左右の筋肉をバランスよく使って!

 ゆがみのない体というのは、リンパの流れもよい体です。ゆがみをなくすことは、後ページで紹介するリンパマッサージによって得られる効果もより高くなります。
 体のゆがみをつくらないようにするためにまず心がけたいのが、よい姿勢です。立っているときも、座っているときも、腹筋と背筋を意識して背すじを伸ばします。

また、日常的な動作で体の左と右をバランスよく使うようにするといいですね。左ページにあるように、ゆがみの原因になる動作は極力避けるようにしまし。
 体と心は密接にかかわっています。過度なストレスは骨格のゆがみを生じます。