リーダーには才よりも徳が求められる

・・・・・・・・・・・稲盛氏の考え方を検証する。

 不祥事を起こしたエリートたちはみな、人並みすぐれた能力をもっていたはずです。
熱意や使命感もあり、これまた人並み以上の努力もしたにちがいありません。

しかし肝心の「考え方」に問題があったため、せっかくの能力や熱意も正しい方向へ発揮されなかった。
そのために誤った行為を犯し、社会に害をなしたばかりか、自らの首を絞めるようなことにもなってしまったわけです。

うれしいときは喜べ、素直な心が何よりも大切

 感謝の心が幸福の呼び水なら、素直な心は進歩の親であるかもしれません。

自分の耳に痛いこともまっすぐな気持ちで聞き、改めるべきは明日といわず、今日からすぐに改める。
そんな素直な心が私たちの能力を伸ばし、心の向上を促します。

人を惑わせる「三毒」をいかに断ち切るか

 つまり赤い竜が「怒り」、黒い竜が「欲望」、青い竜は妬み、そねみ、恨みといった「愚痴」で、この三つを仏教では「三毒」といいます。

三匹の竜とは三毒のことであり、お釈迦さまいわく、それこそが「人生をダメにする」要素なのです。

お釈迦さまが説く「六波羅蜜」を心に刻め

①布施
持戒
③精進
④忍辱
⑤禅定
⑥智恵

エゴぬきと基本浄化

人生をつかさどる見えざる大きな二つの力

一つは、運命です。

「因果応報の法則」です。

 つまり、よいことをすればよい結果が生じ、悪いことをすれば悪い結果が生まれる。善果を生み、悪因は悪果を生むという、原因と結果をまっすぐに結びつける単純明快な「掟」のことです。

因果応報の法則を知れば運命も変えられる

結果を焦るな、因果の帳尻はきちんと合う

 サムシング・グレート、それは何ものであるかはわからないが、宇宙や生命をつくり出した偉大な存在のことです。
 人によってはそれを神といい、私はそれを宇宙の流れとか意志と呼んでいます。いずれにせよ人間の限られた能力では不可知なものかもしれません。

 しかしそうした偉大な「何か」が存在していることは、肯定されるべきだと思います。そうでないかぎり、この宇宙の生成発展や、生命の神秘的かつ精緻な仕組みを説明することができない。

 私たち人類は、そのような偉大な存在から生命力を拝借し、使用しているにすぎないということになります。すなわち宇宙には創造主の手になる生命エネルギーが偏在していて、あらゆるものに絶えず“命”を吹き込んでいる。

 それはすべての存在を「生かそう」とする宇宙の愛と力のあらわれでもある、ということです。

災難にあったら「業」が消えたと喜びなさい