「困難な時代にこそ、想像できなかったことを想像する勇気が湧くものだ」とはインテル会長アンディ・グローブの言葉だ。

今や、これまで想像できなかったことが現実のものとなろうとしている。

今の時代に現れた兆候を見れば、これが一層はっきりと分かる。

 このなんとも奇妙ですばらしい、そしてやっかいな時代ではどんなことも起こりうる。したがって、恐れなければならないものは恐れそのものである。

 重ねて言うが、個人と市場経済がこの世界を支配している。今や、我々の一人ひとりが“ソリスト”なのだ。

 今や、偶然性が支配する時代は終わった。我々は、偶然性から解放されたのだ。世界中の人が、ますます個人の選択に従った生き方をするようになった。選択は、人がこの世に生まれる前から始まっている。

かって、妊娠する方法は一つしかなかった。しかし今では、その方法は二〇にも及ぶ。人は生まれた後に、ロンドン、ラオス、ロサンゼルスに移住することを選択するかもしれない。植毛することを選択するかもしれない。

今週はカールした赤毛で過ごし、来週はドレッドヘアで過ごすことを選択するかもしれない。どんな外見を選んでもよいのだ。
サン、シーベル、シーメンスなど好きな会社に入社するかもしれない。そして、その会社に勤めている間に、性別を変えてしまうかもしれない。

カラオケ・ボックスからの解放

 カラオケ資本主義の世界では、我々は社会として、組織として、あるいは個人として選択するか、負けるかのどちらかである。

繁栄のためには、対価を支払わなければならない。共産主義と同様、資本主義にもコストがかかる。我々は理想を持った資本主義が欲しいのだろうか。
それとも呪われた資本主義が欲しいのだろうか。資本主義の性格を作り上げる一方、富を築くことは、個人的な責任を引き受けることを意味する。

我々は、自分自身の内面を見つめなければならない。成功は、カラオケボックスの模倣者から離れられるか否かにかかっている。
どんな模倣も受け入れてはならない。どんな限界も受け入れてはならない。

幸運な人の七つの習慣

 幸運な人は、人生に対してポジティブな展望、「なせばなる」という態度を持っている。大望や野心がなければ、成功を経験することは決してない。

 幸運な人は、幸運に出合える場所に身を置いている。創造性のある集団に近づくことを恐れない。ゲイやボヘミアンが、経済成長のためにどんなに貢献してきたかを考えていただきたい。

彼らはあちこちで言葉を交わし、一つの場所の問題を他所にある解決策とリンクさせる。
 幸運な人は、普通とは異なるやり方で現実を認識している。

彼らは開かれた心を持つが、常に自分自身との接触を心がけている。自分自身を見出すためには、それを探す準備があることを必要とする。
これは、人々が週末に参加する、感覚を研ぎ澄ませるための研修プログラムではなく、一生をかけた旅である。

 幸運な人はまた、前もって行動する。成功している企業と同様、彼らは変化しなければならない前に変化する。

彼らは、過去を変えることはできないが、未来を変えることはできると知っている。

 成功は、カラオケ資本主義の模倣者から抜け出せるかどうかにかかっている。過去の唄を歌うのを止めて、明日の楽曲を書き始めるのがよい。

今こそ、未来の歴史を書くことに参加するか、未来の傍観者でいることに満足するか、どちらかに決める時だ。