「かくれ糖尿病」

◎糖尿病の合併症

・視力が低下する。目が疲れやすい。モノが二重に見える(網膜症)
・手足がしびれる、痛む。下痢や便秘をおこす。顔面神経麻痺がおこる(神経障害)
・尿たんぱくが出る。体がむくむ(腎症)

※網膜症・神経障害・腎症は糖尿病の3大合併症


 じつはこれらの症状が出るのは、糖尿病がかなり進行している証拠。自覚症状というより、もはや合併症の段階である。
失明したり、腎臓のはたらきが悪くなって人工透析が必要になるなど、不自由な生活を余儀なくされることになる。
このように、気づかないうちに病気が進行し、いつのまにか手遅れになってしまうことから、欧米では糖尿病をサイレント・キラー(静かなる殺し屋)と呼んだりもする。

糖尿病と診断するには

 糖尿病は、慢性的な血糖値の高い状態が続く病気。したがって、血液中に含まれる血糖の量をしらべることで、糖尿病であるかどうかが診断できる。

空腹時血糖値とは、糖尿病かどうかを調べる上で最も基本的なデータ。126mg/dLを超えると糖尿病と診断される。

一方、食後血糖値とは、食事から2時間後の血糖値をはかるもので、食事でとりこんだブドウ糖がうまく利用されているかどうかを知る目安となる。200mg/dLを超えると糖尿病と診断される。

血糖と糖尿病の関係

 血糖とは、血液中にふくまれるブドウ糖のこと。私たちが主食として食べている米、パン、めん類などに含まれている炭水化物の多くは、ブドウ糖になる。

腸から吸収されて血液中に溶けこんだブドウ糖(=血糖)は、インスリンというホルモンのはたらきにより脳や筋肉などに送りこまれ、全身を動かすエネルギー源となる。ところが、糖尿病になるとインスリンの量が不足するため、ブドウ糖が必要なところに送られず、血液中にたまって高血糖となる。


見逃される糖尿病もある

 血糖値が正常範囲内という結果が出ても、安心するにはまだ早い。現在、地域や職場の健康診断で調べるのはおもに「空腹時血糖値」。朝食抜きで採血した覚えのある人は、この「空腹時血糖値」を調べたことになる。

 ところが糖尿病になりはじめの人は、この「空腹時血糖値」が正常でも、「食後血糖値」をはかると糖尿病に該当してしまうことがある。

 健康な人なら食事をするとただちにインスリンが分泌され、食後30分前後をピークに血糖値は下がる。糖尿病になりはじめの人は、食後にインスリンが分泌されにくくなっているため、血糖値が上がってしまう。
しかし時間がたつと正常値に戻るため、空腹時の検査では異常が見つからないのだ。

対策
 インスリンが立ち遅れること自体はもって生まれた体質なので、防ぎようがない。そこでおすすめなのが、血糖値がある程度上がってしまうのですが、それ以上には上げさせないという方法です。

 血糖値を上げてしまう原因は、実はインスリンの立ち遅れだけではなく内臓脂肪の脂肪細胞で阻害物質が作られると、これがインスリンのソガイすることが知られています。
 そこで内臓脂肪を減らすことでインスリンの出やすい環境を作れば、血糖値の上昇を食い止めることができます。