心室細動


 心室細動(しんしつさいどう)とは、心臓の心室が小刻みに震えて全身に血液を送ることができない状態。

 心停止の一病態である。
心臓は電気刺激が順番に伝わることによって規則的に収縮し、血液を送り出すポンプの役目を果たす。
心室細動ではこの電気刺激がうまく伝わらず、心筋が無秩序に収縮している。

原因

 心筋梗塞や心臓弁膜症など心臓病の既往がある場合が多いが、急性心筋梗塞の初発症状であったり、また若年者ではブルガダ症候群やQT延長症候群など生まれつきの遺伝子異常が背景のこともある。
また、心臓に異常がない人でも脱水や栄養障害、腎機能障害などによって血液中のカリウムが異常に少ない場合や異常に多い場合にQT延長が生じて発症することがある。

小児では、キャッチボールなどでボールが胸部に当たってこの不整脈が誘発され(心臓震盪)、突然死の原因となることが指摘されて来ている。

また、感電によるショックによって引き起こされる場合もある。

人体を用いての心臓マッサージ練習が固く禁じられているのはこのため(正しいタイミングのところに余計な衝撃が加わるわけで、直ちに細動の原因になる)。

症状

・脈拍喪失

・無呼吸ないしあえぎ呼吸

・無意識消失

 心室細動の状態にある心筋細胞は互いに互いを興奮させ合い、急速にエネルギー(アデノシン三リン酸)を消費している。
この「興奮させ合い」を停止させるのが電気的除細動である。
しかし、心筋細胞がそのエネルギーを使い果たしてしまってから(こむら返りを起してから)では意味をなさない。

AED

連続心臓マッサージ

 心室細動が原因と考えられる突然死のうち、通常の健康診断では何も異常がなかった人が9割を占めます。
しかし、解剖などからそのうち8割に基礎疾患が認められ、その8割は冠動脈が詰まる心筋梗塞や、肥大型心筋症、拡張型心筋症などで起こり、心室筋肉の一部が脂肪組織に変化する不整脈源性右室異形成という病気でもおこります。

また、心臓に見かけ上異常がないのに突然心室細動を起こすことがあり、これを特発性心室細動とよんでいます。

心室・心筋延髄に大調和のEg入れる。