「爬虫類脳」(脳幹)精髄から上へ順に見ていくと、延髄、橋、中脳、間脳、これがいわゆる爬虫類脳、「脳幹」です。

役割は、心臓を動かすことをはじめ、生命の維持に最も必要なことばかり(※16)。

爬虫類脳の上におおいかぶさるように次の脳が、まるで老舗旅館の新館のように「建て増し」されました。
それが「大脳辺縁系」。
いわゆる「動物脳(原始哺乳類脳)」です。
大脳辺縁系は、帯状回、透明中隔、脳弓、海馬、扁桃体、などに分けられますが、記憶や臭覚などに深く関わりながらも、主な役割は感情(専門用語では情動)の中枢であることです。

頭に思い描く映像は、ミラーニューロンによって脳の中で現実とはほぼ同じ扱いとなり、本番さながらのシミュレーションを、体を動かさずに行える、というわけです。
もちろん「イメージトレーニング」だけでは勝てないでしょうが、でも、勝つためのとても効果的なシミュレーションにはなるのです。
さらにミラーニューロンは、試合だけでなく人生で勝つためのサクセスにも、どうやら関係しているようです。

さらにミラーニューロンがあるのは、他者に対する「思いやり」のため、と考えることもできます。
相手の姿を見て、それを自分のしていることと同義にとらえられるということは、相手の心情を思いやるのに、とても有利です。
相手が辛ければ自分も幸い、相手が楽しければ、自分も楽しい。

「思いやり行動」ができることで、群れの中の集団生活を円滑にできますし、たとえ自分に腕力がなかったとしても、群れの中での地位を、上げやすくなります。

そのほうが当然、遺伝子の生き残る確率は増すわけですから、ミラーニューロンはあったほうが、やはり生存に有利なのです。