アメリカの論理

隠れた支配層、<奥の院>とは

 現代社会において金融資本主義の雄である米国の国家としての行動は、「支配」と「従属」の関係を相手国に感じさせないようにしつつ、絶えず相手から自分へ富が流れ込み、蓄積していく構造を作り上げるというものである。

 そして、米国の国内においても同様に、実は(半永久的に)支配する者と支配される者との関係が固定化しているのだ。
しかも厄介なのは、米国と国際社会、あるいは米国国内のいずれについても、「支配の構造」があることを知られないようにするため、巧みな仕掛けが作られているということである。

 驚くべきことに、表向き」米国の支配階層である」と主張し、事あるごとに前面に出てくる人たち(大統領、政府高官、大企業社長、有名大学教授、芸能人〔セレブリティー〕)などは、
実を言うと、「支配階層であるかのように演ずること」を役割として与えられた人たちに過ぎない。

彼らは、そうした役割を任されているに過ぎず、時と場合によっては、別の人にそれを取って代わられても文句は言えない立場に置かれている。

 「役割を任されている」ということは、「任せている」人がいるはずである。それは一体誰なのだろうか。

 表向きの「支配層」を、あたかもチェスのコマのように動かすことができる米国の本当の支配集団のことを、ここでは便宜的に奥の院と読んでおくことにしよう。・・・・・90%