意識の拡大について

 吾々が肉眼で見て「有る」と見えているのは「現われている象」でありますから、これを「現象」と言うのであります。

「現象」は肉眼で見るから、そのように見えるのですけれども、これは、肉眼で見る通り、その通りに実際にあるのではない、だから、現象は常にかわるのであります。
  
たとえば、人間の肉体は現象ですから常に変る。しかし、人間そのものは変らない。「甲」はいつまでも「コウ」であって同一人格である。

 この永久に変らないものが、本当にあるもので、神の造り給うた「本当にあるもの」すなわち「実在の甲」「実相の甲」なのであります。
 それを本当に知るのが智慧であります。神の造り給うた実在の世界には苦しみもなければ悩みもない、憎みもなければ恨みもない、そう云う悪いものは悉くないのであって悉くが光りの世界である。