それでもアメリカの時代は終わらない

 いま米国内では泥沼の金融危機によって「アメリカの時代」の終焉が叫ばれている。
ニューズウィーク」誌国際版のファリード・ザカリア編集長だ。
 過去500年の間に起きた3つのパワーシフトを論じる。最初は15世紀の始まる西洋の興隆であり、これがいわゆる「近代」を作り上げた。次は19世紀末からの米国の台頭で、ローマ帝国以来の最強の国となった。そして現在、「我々は近代における3つ目のパワーシフトの中を生きている、それは「その他の世界の興隆」と叫ぶことが出来る」と述べる。つまり、現在は米国が没落していくのではなく、他の諸国が興隆しているというスタンスだ。
 そして、その「アメリカ後の世界」は「平和と繁栄に満ちる」との見通しを提示する。すなわち、過去数十年間、

世界はかつては考えられなかったほどの経済成長を遂げた。06年〜07年においては124か国が4%以上の経済成長を遂げている。貧困問題も、1日1ドル以下で暮らす最貧困層が世界人口に占める割合は、81年の40%から04年には18%にまで減少、15年には12%になると予測されていると指摘する。

 また現代は、「史上かつてない平和な時代」であって、米メリーランド大学の研究によれば、80年代半ば以降、戦争は減少し、組織的暴力は50年代以降で最低レベル。テロも拡大してはおらず、イスラム原理主義は弱体化、中東は安定してきているという。では何故、戦争やテロの脅威が強く感じられるのかといえば、グローバル化で情報量が増えたことが原因だと述べる。

アメリカ後の世界」では中国、インド、ロシア、ブラジルなど国際社会に多様な参加者が増え、中国に見られるように「新しいナショナリズム」が台頭するが、全て既存の体制に組み込まれており、その中で国益の追求をすることになる。

中国もいずれ民主化に向かう。その結果、新しい国際協調の枠組みやルールが必要となるが、それを作れるのはやはり強大な経済力と圧倒的軍事力を持つ唯一の国家・米国しかないという。

 米国はリスクテイク、資本主義、イノベーションに価値を置く「移民の国」であり、人口は増え続け、また世界中から優秀な頭脳を集めている。

アメリカ後」も米国の世界での優位は揺るがないというわけだ。米国衰退論や反米主義台頭の懸念を退け、結果として「新冷戦」うあ「ユニラテラリズム」を否定した内容となっている。

55%正解。しかしそれが上手くいくかいかないかは日本が鍵をにぎっている様だ。日本次第で90%になる