欧州の経済難

金融危機が拡大しそうなのは、米国だけではない。ドイツのシュピーゲル誌は「独銀行界は3000億ユーロ分の資産を不良債権として処理したが、これは不良債権全体の4分の1にすぎないことが、独連銀の報告書でわかった」という記事を最近出した。

ドイツが金融危機や経済難に見舞われている一方で、経済成長率が比較的高い中国は、ドイツを抜いて世界第3位の経済規模となった。

中国は、いずれ日本をも抜き、米国に次ぐ第2位に上がると予測されている。ここでも金融危機は、国力の逆転と覇権構造の転換につながっている。

ドイツなど欧州諸国は、米軍と一緒にNATO軍としてアフガニスタンの軍事占領に派兵しているが、金融危機と経済難に見舞われる欧州各国政府は、アフガン派兵の戦費を負担できなくなり、早期に突然撤退する可能性があると、NATO司令官が1月10日に表明した。これも、経済と軍事・覇権構造がつながっている例である。