耳鳴り

ある研究によると、耳が上手に休められていないと、耳の感度が20〜50歳で75%低下(4分の1になってしまう)、20〜30歳でも67%低下(3分の1になってしまう)するそうです。

「耳の何が疲れているのか?」

耳が疲れて聞こえが悪くなっているとき、具体的にどこが疲れているかというと、内耳の中の蝸牛(カギュウ)という器官の中にある「毛」なのです。

蝸牛の中に並ぶ有毛(ユウモウ)細胞にはえている毛は150万本あります。その動きを模式的に示すと、高い音が聞こえてきたときには、鼓膜に近い部分だけ毛が揺れます。

低い音のときには、鼓膜に近い部分から遠い部分まで、全体が揺れます。毛が倒れたり抜けてしまったりすると、元には戻りません。

加齢によって高い音から難聴が始まるのは、一番使用頻度の高い、鼓膜に近い部分の有毛細胞から毛が傷んでくるからです。

有毛細胞の動きが悪いと難聴に、誤作動を起こした状態だと耳鳴りになります。

「耳鳴り:脈拍の音がなぜ聞こえるのか?」

実際の患者さんは、その音量を「車が頭の中を走っているようだ」と表現します。心臓から送り出された血液は、動脈を通じて体中に送られます。

音を感じる有毛細胞が生えてる蝸牛のそばにも、太い動脈が走っています。鼓膜が振動しなくても、動脈に血液が流れる振動が蝸牛を直接揺らし、有毛細胞から脳に音の信号が行きます。この音は、耳鳴りの患者さんでなくても、誰にでも聞こえている音です。

**蝸牛とその有毛細胞にEG入れ、ウイルス・細菌・フリーラジカル等ぬく。

実際の音量は、耳に指を入れてみるとかすかに聞こえる程度で、聞こえない場合も多くあります。聞こえ方は人によって異なりますが、「ズンズン」「ゴーゴー」といった音です。

このわずかな音が、患者さんにはなぜ「頭の中を車が走る」ほど大きく聞こえてしまうのでしょうか。耳鳴りと脳の関係はどうなっているのでしょうか?

「かすかな音が大きく聞こえるメカニズム」

私達の耳には、常にさまざまな音が同時に聞こえています。鼓膜はその音の大きさに応じて振動しています。
しかし、脳の中では、音量に関わらず、聞きたい音だけを集中して聞くようにしています。しかし、何らかの原因で脳が疲れてしまうと、脳内の音量調節機能が狂ってしまい、普段はわざと無視している脈拍の音の音量を間違ってあげてしまうことがあるのです。

これが、脈拍の音が耳鳴りとなってしまうメカニズムです。