資本主義が破壊する「社会のつながり」
たしかに資本主義は人類に富と繁栄を用意したかもしれない。
しかし、そうした資本主義の進歩は同時に、人間同士のつながりや文化伝統、さらには私たちの生存そのものを支える自然環境をも破壊しつつある。
そして、グローバル資本主義の時代に入って、その傾向には拍車がかかる一方である。
ネットの発達で、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの必要がなくなったことで、地域コミュニティの持つ意味はどんどん軽くなっている。
ボーダレス時代になり、国境をヒトやモノが自由に越えられるようになったことで、国家の存在感もどんどんなくなりつつある。
たしかに、このようなグローバリゼーションの進展はある意味で、人間を「自由」にしているのかもしれない。
しかし、それは同時に人間と人間との連帯、社会のつながりを喪失させることになってはいないだろうか。