誰が「黄金の州」を殺した

アメリカ 政治も経済も機能不全に陥ったカリフォルニア、その元凶はエコ推進の富裕層だ

 カリフォルニア州は過去何十年もの間、アメリカ経済がもつ強みの縮図だった。高度なテクノロジーに芸術的な創造性、肥沃な農地、不屈の起業家精神が州の経済を力強く支えてきた。

 今のカリフォルニアは違う。政治の機能不全と経済の停滞の縮図と言ったほうがいい。2月19日に州議会の上下両院はようやく財政赤字削減策をまとめたが、これでカリフォルニアのかかえる問題がすべて解決したわけではない。

 カリフォルニア州はこれまで、何度も死の淵から生還してきた。最近では90年代初めの不景気を乗り越えて見事に復活した。しかし現状では、「黄金の州」が再び活力を取り戻す可能性は乏しそうだ。

 B級映画スター出身の州知事の言動はまるで道化だし、州議会はヒステリックな環境保護派と官僚機構の代弁者と化石同然の保守派の間で分裂状態。

そのせいで、州の財政は壊滅的な状況に陥っている。カリフォルニアの政治指導者たちはときどき、この州の本当の強みをーカリフォルニアとアメリカの未来を取り戻す道を開くかもしれない要素のことをー忘れかけているようにみえる。

ナリシシズム政治の罪