口内炎に悩むAさんの口の中を綿棒でぬぐい、体温と同じ37℃で培養すると、たくさんの細菌が出現しました。これは、誰の口の中にもある「常在菌(じょうざいきん)」と呼ばれる細菌です。その数は個人差がありますが、数十億匹と言われています。

 口の中にできた傷に細菌が繁殖すると炎症を起こし、口内炎になります。多くの場合は、だ液によって細菌が洗い流され、口内炎になる前に傷が治ります。

しかし、だ液が減ると口内炎になりやすくなります。

      傷が原因の口内炎ができる仕組み

 1.魚の骨などが刺さる、誤ってかむ、などして口の中に傷が 
   できる。
 2.この時、だ液の分泌が低下していると、細菌が洗い流せず 
   傷で細菌が繁殖。
 3.炎症=口内炎になる。
      原因不明の口内炎ができる仕組み
 1.口の粘膜は絶えず心新陳代謝で再生しています。
 2.疲労やストレスで新陳代謝が低下すると、表面が荒れます。
   さらに悪化すると潰瘍(かいよう)になります。これはつ 
   まり、口の中に「胃潰瘍(いかいよう)」ができているよ
   うなものです。
 3.潰瘍は内側からできた傷のようなものです。あとは外傷が
   原因の場合と同様、細菌が繁殖すれば炎症=口内炎になり 
   ます。
          口腔がんとは

 口腔がんに進行する病変には、おもに2つあります。

  ・白板症(はくばんしょう)
   口の中の粘膜が厚くなり、白く見える病変です。6〜1  
   0%が「がん」に進行すると言われています。

  ・紅板症(こうばんしょう)
   口の粘膜が薄くなり、赤く見える病変です。50%が「が
   ん」に進行すると言われています。

 どちらも舌だけでなく、口の中の粘膜全てにできます。

1か月に1度は口の中をチェックしましょう。口内炎のような症状が2週間以上治らなければ口腔外科で診てもらうことをおすすめします。

b口腔がんは、早期発見すれば95%以上の確率で治ります。   ・口内炎カルテ