NEVADA金融情報(金融機関大手の黒字発言の不思議さ)


 今、シティ、JPモルガン等金融機関の首脳で相次いで機関黒字になっていると発言し、これをもって金融株が買い上げられていますが、この発言にはおかしな点があります。

 確かに猛烈な人員を削減し、固定費(コスト)を削減していますので、営業黒字になっているかもしれませんが、この発言には不良債権額やデリバティブ評価損は“一切勘案されていない”となっているからです。

 今、問題はこの評価損・実現損がいったいいくらになるか、であり、この膨らみ続ける評価損をいかに削減するかを金融市場は疑問視しているのです。

 ただ、株式市場は“買い上げ”もあり堅調に推移しており、当面は株式は買い上げるムードになるのでしょうが、実体はなんら変わっておらず、いつまで今の買い上げが続くかが焦点になります。

 折から、しばらく忘れられていました、株価が40円以下にたたき売られています。「フレディマック」(住宅貸付公社)ですが、昨年10−12月期に239億ドル(2.3兆円)もの赤字になり、2008年通期の赤字が501億ドル(5兆円)にも達し債務超過に転落したために、財務省に308億ドル(3兆円)の追加資本注入を申請したと報じられています。

 実態がじわりじわりと悪化している今、次に金融市場の楽観ムードが一変した時、怒涛の暴落が市場を襲うことになります。

      株式買い上げ:日本の公的資金

 今、市場の一部では日本の公的資金が米国株式を買い上げているとの噂が高まってきていますが、それを推測する数字が明らかになっています。
 3月1日−7日間の<対外証券投資>統計です。

 今、日本の金融機関・法人は決算資金練り対策もあり、対外資産を売却していますが、統計上は<買い越し>となっており、この<買い越し>分が公的資金の買いとみられているのです。

売却2042億円 購入5388億円 差し引き3,347億円

今、世界中の“機関投資家”で日本の公的資金が唯一ともいえる買い手になっており、今日も[上場投信買い取りへ]という見出しで、事実上日本政府が株式投信の買い取りに動くと報道がされており、市場では日本の存在が高まっていますが、この背景にはオバマ・麻生会談があるとも言われており、詳しくは別途<非公開情報>にてお知らせいたします。

 何でもあり(与謝野大臣発言)の政策に踏み込んできた日本ですが、世界の株式を日本政府が事実上買い取るという政策に踏み込んだ以上、リスクは日本に集中することになります。