尿崩症


【尿崩症とは】

からだの中の水分量を正常に保つのに重要な役割を果たしている臓器は腎臓ですが、下垂体から分泌される抗利尿ホルモンは、その腎臓に作用して、水分が尿として必要以上に排泄されすぎないように調節しています。

尿崩症では、この抗利尿ホルモンの生成や分泌が異常に低下するので、尿量が異常に増加します。

【原因は】

原因が不明の原発性尿崩症と、ほかの病気によっておこる続発性尿崩症があります。
原発性には、遺伝するものとしないものがあります。原発性と続発性の割合はだいたい同じで、乳児・小児に多くみられます。

 続発性の原因となるおもな病気には、松果体腫や頭蓋咽頭腫をはじめ、頭部外相や脳手術、妊娠・分娩時のホルモン異常などがあります。

【症状は】ほとんどの人に、喉の渇き、多飲、多尿がみられ、これらの症状は発病とともに突然おこります。とくに冷水を好んで飲むようになります。

夜、トイレに行く回数がふえ、よく眠れないこともあります。

これに、皮膚や粘膜の乾燥、全身倦怠感、食欲不振、頭痛などが加わることがあります。

 また、ほかの下垂体ホルモン(成長ホルモン、性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなど)の分泌不全の合併が多くさまざまな症状があらわれます。