多剤耐性

 多剤耐性を起こした菌に対しては、従来使用されていた薬剤が治療効果を失うため、医学上問題となる。多剤耐性菌の蔓延の要因の一つとして抗生物質の不用意な使用が挙げられる。

薬剤耐性

 医学、薬理学、微生物学の分野では、特に細菌やウイルスなどの病原性微生物やがん細胞などが、それらの病原体による疾患を治療する抗生物質抗癌剤など(科学療法剤)の薬剤に対して抵抗力を持ち、これらの薬剤が効かない、あるいは効きにくくなることを指し、この場合「薬剤耐性」という語が用いられることがもっとも多い。


薬剤耐性のメカニズム

・薬剤の分解や修飾機構の獲得
・薬剤作用点の変異
・薬剤の細胞内蓄積の阻害

代表的な薬剤耐性病原体

・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE
多剤耐性緑膿菌(MDRP)
・多剤耐性結核菌(MDR--TB)
・広範囲薬剤耐性結核菌(XDR—TB)
・ペニシリナーゼ産生淋菌(PPNG)
・薬剤耐性HIV
・アマンタジン耐性インフルエンザウイルス
タミフル耐性インフルエンザウイルス
・クロロキン耐性マラリア