前庭性のめまい

 からだのバランスをつかさどる内耳の部分を前庭といいますが、この前庭系に障害があると、めまいがおこります。

前庭性のめまいには、内耳や前庭神経に異常がある末梢性のめまいと、前庭神経から中枢側にある脳幹や小脳に異常があっておこる中枢性のめまいの二つに分けられます。

           前庭神経炎
 平衡を保つのにたいせつなはたらきをする前庭神経に炎症がおこると、めまいがおこります。かぜなどの上気道炎にともなって、あるいはそのあとにおこることが多く、耳鳴りや難聴はともなわないのが特徴です。

めまいは長時間持続しますが、反復することはありません。

聴神経腫瘍

内耳から中枢へ向かう聴神経に腫瘍ができるためにおこるめまいです。

 初めの症状は軽い難聴や耳鳴りですが、腫瘍が大きくなるにつれてめまいがあらわれ、その程度もしだいに重くなっていきます。

 さらに進行すると、顔のしびれなどの三叉神経の症状や、そのほかの脳神経の症状があらわれてきます。

 中枢性のめまい 

          脳循環障害

動脈硬化脳梗塞脳出血によっておこるめまいです。

脳のどこがおかされたかによって、さまざまな神経症状(手足の麻痺や歩行障害、言語障害、一過性の視野欠損、失神など)を示します。

 回転性めまいのほか、浮遊感やふらふら感があらわれることもあります。多くは悪心・嘔吐をともないますが、難聴や耳鳴りをともなうことはまれです。

 脳腫瘍

 脳幹や小脳、第四脳室内あるいは大脳のとくに側頭葉や頭頂葉に腫瘍ができると、めまいがおこることがあります。めまいのおこりかたはさまざまで、腫瘍が大きくなるにつれ徐々にめまいが、強くなることもあります。

 しかし、腫瘍による脳血管障害やてんかんによる場合は急激なめまい発作となります。