少食で寿命が延びる

 米国立衛生研究所のなかにある加齢研究所で、マーク・レーン、ドナルド・イングラム、ジョージ・ロスの三人の研究員が共同で、サル(アカゲザルとリスザル)六○匹を使い、三〇匹は餌を腹いっぱい食べさせ、もう一方の三〇匹は腹七分の少食にして、実験を開始したのです。

 一五年後の結果ですが、死亡率は少食のサルは腹いっぱいのサルの二分の一、つまり半分であることが判明しました。軍配は少食ザルに挙がっています。

 この少食にしたサルたちの特徴は三つありました。それは、

➀ 低体温であること

? 血液中のインシュリンが低い

? DHEAS(デヒドロエピアンドロステロン、つまり副腎皮質ホルモン。

すなわち男性ホルモンの一種)が、加齢にしたがって減ってくるのがふつうですが、この少食ザルたちは減ってこないのです。

このホルモンは若返りのホルモンとも言われるもので、免疫力も増強する作用があるのです。

 以上のごとき特徴は、現在の医学常識を根底からゆさぶることになるのです。

 まず第一番目の低体温ですが、体温が低いことは、決して、健康上よいとは考えられていないからです。
 生命力が低下したとか、また肝臓の機能が衰えたとかが原因であると考えられているのです。したがって、体温が低いことを「病状」としてキャッチする医師も少なくありません。

 その対策として、栄養のあるものをしっかり食べよとか、適当に運動して身体を鍛えるようにと注意されるでしょう。

 ところが、このサルたちの実験で、腹いっぱい食べた群より死亡率が半分である腹七分の少食群のほうが低体温であるということで、専門家たちは大きなショックを受けているわけです。

 第二番目のインシュリンが血液中で低い値を示す。つまり、低インシュリン血も現代医学ではあまり良いとは考えられていません。

少食で遺伝子も若返る

少食で万病のもと「宿便」も排泄できる