金融緩和がもたらすもの

朝倉氏
グリーンスパンの思惑に反し、日本から世界中にバブルが輸出され…】

 ところが一方で思わぬ恩恵を受けた人達がいたのです。

 投資家達は、アメリカ国内から資金を調達することをやめ、日本からゼロの金利で円を調達し、ドルに替え、世界やアメリカに投資する方法を思いついたのでした。

これが広まるようになってから、日本から世界中へバブルが輸出される形となったのです。

 金融政策で景気を冷やそうとしたグリーンスパンの目論見は失敗して、輸入されたゼロ金利の円資金がアメリカどころか世界を座巻することになったのです。

 円からドルに替えられた山のような資金は、新興国をはじめとして発展が期待される地域、それと共にアメリカから広まった証券化商品にも雪崩を打つように注がれていきました。

 1990年代後半から実質ゼロの金利で国内の需要を盛り上げようとした日本政府と日銀ですが、日本国内では一向に資金需要は盛り上がることなく金利はゼロに張り付いたままだったのです。

1990年に起こったバブル崩壊で日本国内ではおよそ2000兆円の富が失われたと言われています。

 あの強烈なバブル崩壊にあって、日本という国は破産しないで存続できたことの方が奇跡のように思います。

GDPの4倍ですよ!

【余った金はどこに行くしかないことから、バブル発生は必至!】

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