隠れ腎臓病 恐怖の連鎖
「カルシウムを摂って骨に良い生活をしてたはずなのに、骨がスカスカの状態に」「鉄分をとっていたのに、貧血」になってしまう不思議な現象があります。
その原因はどちらも「腎臓」。腎臓の機能が落ちると、骨や血液にまで悪影響が出てしまうのです。
いま、自覚症状がないうちに腎臓の機能が落ちている人が沢山見つかっています。それが「隠れ腎臓病」。
さらには腎臓だけでなく、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などを引き起こし、突然死する危険性が高くなることがわかってきました。
「まさか!腎臓が血液を…」
最近の研究によると、自覚症状が全くない段階の軽度の腎臓機能低下で、脳卒中・心筋梗塞のリスクが大幅に上昇する悪循環があることがわかってきました。
そのメカニズムは、「腎臓機能が低下→高血圧→動脈硬化→突然死の危険」というものです。
さらに、これに貧血と骨スカスカの2つが加わる。一体どういうことなのか?
腎臓病から来る貧血患者が急増中
そもそも貧血とは?
健康な人と貧血の人の血液は、見た目は変りませんが、遠心分離器で分析すると含まれる赤い部分の量が違います。
貧血とは「血液中に赤血球が少ない状態」を言います。貧血で一番多い原因は、赤血球の材料が不足する「鉄欠乏性貧血」です。
エリスロポエチンとは?
エリスロポエチンとは、腎臓から出されるホルモンの1つです。
骨髄に働きかけて、赤血球を作らせる指令を出します。
腎臓機能が悪化すると、エリスロポエチンの産生量が減り、「腎性貧血」になります。
貧血と腎臓悪化の悪循環
からだの中の酸素濃度を特殊な方法で測ると、健康な状態でも腎臓は常に低酸素状態でした。腎臓は酸素の取り込み能力が非常に低い臓器であるだけでなく、酸素が足りないまま、常に多くの仕事をしなければならない臓器なのです。
しかも、全身が貧血になると、腎臓はさらに低酸素状態になってしまう、という悪循環が発生します。
つまり、「腎臓悪化→エリスロポエチンが出ない→貧血→腎臓悪化…」という悪循環が起きてしまうのです。
腎臓が原因の貧血はどう治す?
鉄分をとっても貧血が治らない場合は、腎臓悪化が原因の貧血「腎性貧血」の可能性もあります。医師と相談して、腎臓を検査することをおすすめします。
ホルモン治療などがあるので、専門医に相談してみてください。
* 腎臓糸球体にエネルギー入れ、ウイルス・細菌抜く
* 腎臓のエリスロポエチン産生遺伝子にEG入れる。
カッセー(活性)腎臓は骨の応援団
実は食事で摂ったカルシウムを体内に吸収するのは「ビタミンD」の役目です。
しかし、腎臓によって「活性型ビタミンD」というホルモンに変身させる必要があります。
腎臓は骨を作るという大きな働きもしているのです。
隠れ腎臓病で「血管に骨ができる」
隠れ腎臓病が原因で「血管に骨ができる」ことがあり、これを「血管の石灰化」と言います。そのメカニズムは次のようなものです。