病気の意味

 世界の伝統的な医療体系を担う治療師たちが最も重視してきたものは、何よりも患者個々人にとっての病気の「意味」を解読し、それによって患者をより創造的な「癒し」(人生の深化)へと導いてゆくことに他ならなかったからである。

 西洋近代医学が「いかにその病気が発生し、いかにそれを治療(除去)するか?」という“HOW”(病気のメカニズム)の科学であるのに対して、伝統医療における病気の「意味」の探求は、むしろ「なぜ私がその病気に罹ったのか?「私がこうして病に臥せてしまった状況をどう理解し、受け入れればよいのか?」、さらには「一体何のために私はこうした苦難を経験させられているのか?」といった個人の実在的な問い(”WHY“)に答えようとするものだ。

「病気を治すのは簡単だ。だが、本当に問題なのは、病気そのものより、その病気を治すべきかどうかということなんだ。その病気を取り去ったために、その人がもっと大きな不幸に見舞われることだってあるんだ。」―。

 医療は単に病気を治す技術ではなく、その病気を通じて患者がみずからの「生」の意味を深めてゆくようなプロセスを支援する、いわば病いのプロデュース技術でなくてはならない―。

 なぜ人は病気になるのか

 精神的因子も確かに非常に大きな発症の要因ではあります。見えない世界の因果律(カルマの法則)カルマや病気とは、もっと肯定的な意味を持つものであり、進化を目論む意志あるいは宇宙の知性の現れと考えるようになりました。浄化の過程としての病気。

 遺伝子異常とは、過去世も含めた個我の知性の誤りの所産ということになります。これはカルマの法則にしたがっていると思われます。ですから極論すれば、先天的な遺伝子異常は、輪廻における因果の輪の中で知性の誤りとして、後天的遺伝子異常は今世の因果の輪の中での知性の誤りと考えられます。そのように因果の輪の中で病気になる運命が作られると考えることができるのです。

   超弦理論、統一理論、「波動医学」としての
アーユルヴェーダ
 アーユルヴェーダでは宇宙の構成要素として五元素(空「アーカーシャー」、風「ヴァーユ」、火「テージャス」、水「ジャラ」、地「プリティヴィー」)を挙げていますが、量子物理学における素粒子のスピンの様態の違いが、これら五元素に対応するという説があります。こえは、あくまで仮説の域を出ませんが、最新と最古の理論が一致することを示しているという意味で興味深いものです。

 また、同じ理論物理学では、相対性理論と量子物理学とを統合する理論として超弦理論が唱えられるようになってきました。

十次元の紐の種々の波動モードが自然界の万物を造るというものですが、これと似た理論が、オームという音なき音(波動)から万物が造られるというヨーガの考え方に見られます。

実は古神道でも「天地一切波なり」としていますし、弘法大師も「五代に響きあり」と詠まれています。元素東洋の伝統では、宇宙万物を波動として捉えるようです。アーユルヴェーダやヨーガは特に、波動によって万物を取り扱うことから「波動医学」と命名してもよいのではと思います。

 さらに、量子物理学の「自然界における四つの力の統合された統一場」とヴェーダの純粋意識とが対応することをマハリシらが提唱しています。また大日如来が宇宙を創造したとする仏教の経典、「大日経」などに記載されている宇宙創世の話も、あのホーキング博士宇宙論とよく似ているといわれています。

このように現代物理学が進歩すればするほど東欧の古い知識と酷似してくることが盛んにいわれるようになってきているのです。