高齢化に伴い増加する心房細動

 不整脈は、心臓から出る電気信号が乱れる状態のこと。心房細動は、通常の心臓の拍動より速くなる「頻脈性不整脈」の一種で、電気の出方が異常になり、心房を電気が巡って、ブルブルとけいれんしている上体だ。
「筋肉の袋」といえる心臓は、右心房にある動結節という“発電所”から電気信号を出して収縮し、ポンプの役割で血液を送り出している。
 心房と心室をつなぐ房室結節を通して電気が伝わり、心房が収縮した直後に心室が収縮することで、規則正しく血液が流れていく。
 正常な場合、一分間に六十?八十回の収縮だが、心房細動は、一分間に四百?六百回ほど細かく振動する。
 心房細動になると、血液の流れは不規則になり、心臓に負担がかかる。胸の違和感、胸苦しさ、息切れなどの症状があるが、中にはまったく異常を感じない人もいて「大した問題ではない」と軽視してしまいやすい。
 血液を心室に送り出せないと、心房内で血液がよどんできて血の塊ができる。それが血栓として脳に回って、脳梗塞を引き起こす。心房細動が三日続くと、脳梗塞のリスクが生まれるとされ、ない人の約5倍、危険が高くなることが分かっている。プロ野球長嶋茂雄さんや、サッカーのオシム元日本代表監督がなった脳梗塞がこのタイプだ。

心房・心室・洞結節にEg入れ、ウイルス抜く