覇権、通貨、世界的な問題3 ヘッジファンドなどの投機資金が原油や穀物(トウモロコシ、大豆、小麦)の先物市場に流入し、原油や穀物の国際価格をつり上げている。投機筋はコンピューターのプログラム売買で、瞬時に複数の相場間で資金を往復させ続けて利ざやを稼いでいる。投機で食糧価格がつり上がるほど、途上諸国で暴動が広がり、世界的な政治不安が加速する。

 米国の州や市町など地方公債が5日続落の急落をしている。地方財政が悪化し、投資家が地方公債市場から逃げ出している。

相場の下落で、公債を新たに発行しようとする地方政府は金利を高くしないと売れなくなり、地方の財政難に拍車をかけている。地方財政の破綻が進むと治安悪化や経済減速が起きるので、連邦政府財政赤字を増やしても資金を出すことが必要。

西アジア、中東、アメリ 食糧など物価の高騰で暴動が起きている北アフリカチュニジアで大統領が統制を取り切れず隣国マルタに国外脱出。首相が権力代行しているが、実権は軍に移っている。

中東のヨルダンでも、物価高騰と増税の結果、庶民はガソリンも食糧も買えなくなっているとして国民の怒りが爆発、首都アンマンなど各地で反政府デモや暴動が起きている。

アルジェリアやエジプトなどでも暴動が広がる可能性があるドルの潜在危機による国際商品のドル建て価格の上昇が、イスラム諸国の独裁体制や、その他の途上諸国の政権を次々に倒壊させていく危機が現実のものになってきた。