「防災会議」を告発する地震予知連絡会会長が、中央防災会議を名指しで批判している。国の誤った想定が大量の犠牲者を出すことにつながったという。

政府組織の現職トップが国を批判するのは異例だ。島崎邦彦・余地連会長が初めて本誌に真意を語った。

つぶされた02年報告書

―高い津波は「想定外」ではなかったのですか。

 今回の津波は、二つのタイプの津波が同時に生じたと考えられます。(13ページ右上の図)。一つは、高くて破壊的なエネルギーを持つ「津波地震型」、もうひとつが水位が高い状態が長時間続く「貞観型」。

その名の通り、貞観地震(869年)の津波を念頭にしたものです。

海溝沿いで起きる津波地震型は、海底が非常に大きくずれ動くので、高い津波を生み出すのに対し、貞観型は、海底のずれは比較的小さいですが、ずれ動く面積を広い。

そのため、比較的低い津波が長時間続きます。

 それぞれの津波が起こることは、予測できていました。