TPPは貿易阻害協定だ 

「TPPは製造業に深刻な悪影響を与える」と畏兄・野口悠紀雄氏は喝破しています。

 「TPPは貿易自由化協定ではない。逆に貿易阻害協定。加盟国間の閲税引き下げに伴うプラス効果と、非加盟国を排除するマイナスの効果を比較勘案すべきだ」と。

 日本の輸出は09年段階で米国へは101億ドル。
東アジアへの輸出が298億ドル。東南アジア=ASEANへ52億ドル。而してTPPには、東アジアの中国も韓国も、ASEANインドネシアもフィリピンもタイも参加しません。

直截に申し上げれば中国も台湾も参加を求められておらず、TPPとは即ち、環太平洋地域に於ける中国を中心とする経済圏の確率を阻止したい米国の深謀遠慮に他なりません。

 「TPPは『開国』とも『改国』とも異なる『壊国』。自由貿易ならぬブロック経済アメリカ一人勝ちの為の時代錯誤な『保護貿易』」と1年前から僕が警鐘を鳴らしてきた所以です。

 実際問題、日本の最大輸出品目・自動車に対する米国の輸入関税率は完成車で僅か2.5%。仮に関税ゼロとなっても対米自動車輸出が増える訳も無いのです。因みにEUは10%。寧ろ優先課題は、こちらなのです。

 野口氏の言説を採用すれば、日本の最大の輸出先国・中国に対する貿易阻害協定が米国主導のTPP。その中国が対抗手段でEUとのFTAを締結したなら、自動車、高速鉄道で日本と競うドイツが中間財の供給で圧倒的優位に立ちます。 田中氏

☆ 更にサービス業の自由化が問題。