世界経済短期予測 総ては中国次第増田氏

 今の中国の成長モデルは1970年代からの日本の高度成長過程とは「似ても似つかぬ」と述べ、その理由をいくつも挙げた。中国国民の所得はここ10年間の経済成長率に比して下がり続けている。かつての日本の成長モデルの正反対である。

 中国の経済成長を押し上げているのは単に二つの要因だけ。

第一は中国の大企業病の約半分を占める外資系企業の輸出高と、第二は中央ならびに地方政府が所有する土地の売却収入である。特に地方政府の共産党幹部は自らの出世のため、監督下の土地売却収益が国家の経済成長率を上回ることをノルマにしている。

 土地を安い価格で買い取った開発業者は国営銀行から融資を受けビルや住宅を建てまくる。

売れなければ会社は国営企業に吸収され、不良債権国営企業が引き受け、さらに国営銀行がBailout(救済)する仕組みになっている。