甘い物は脳に悪い笠井氏

 
甘い物を食べることにより、体内では急激に血糖値が上がります。それで一時的に疲れがとれたような気分になり、頭もすっきりしたと勘違いしてしまうのです。

 問題は、そのあとです。

 急に血糖値が上がると身体にとって負担になるので、血糖値を抑えるために膵臓が大量のインスリンを分泌します。膵臓としては、急に血糖値が上がったので、「早く下げなくては!」というプレッシャーのもと、通常よりも多くのインスリンを分泌します。したがって、血糖値は急激に下がることになります。

 その結果、甘い物を食べる前よりも、血糖値が下がってしまい、集中力が続かなくなるばかりか、よけいに疲れを感じ、けだるくなってしまうのです。

 では、仕事で疲れて、気分転換したいときには何を食べればいいのか。

 その答はズバリ、たんぱく質を多く含んだ食品です。

 それがいまでは、「ノンカロリー」や「ダイエット」を売り物にした食品が目立つようになりました。好きなだけ食べたり飲んだりしても、太らないといいたいわけです。

 私たちの多くは、なぜか低カロリーの食品なら食生活に悪い影響を与えないかのように捉えてしまうわけですが、これは落とし穴です。

 いくら低カロリーでも、それを摂取すると、ノンカロリー、低カロリーにするために加えた食品添加物によって、酵素の働きが阻害されてしまいます。それによって身体が疲弊することで代謝が落ち、太りやすくなってしまうのです。

 肥満した人の中には、たいして食べていないのに瘦せないという人がよくいます。そういう人にかぎって、「ノンカロリー」や「ダイエット」の食品を注意深く選んでいるケースが目立ちます。

 しかしながら、ノンカロリーだから太らないというのは一種の虚構に過ぎません。成人の肥満のほとんどは、体内のバランスが崩れていることが原因で起こっています。たとえノンカロリーであっても、不要なものを身体に入れる食習慣は肥満をもたらすのです。

食べなければ瘦せられない

 とくに、良質のタンパク質は、代謝を上げ、筋肉を落とさないためにも、ダイエットをするうえで欠かせない食材です。

 私たちが食べ物を消化するのも、栄養を吸収し身体の隅々に運ぶのも、それを代謝し排泄するのも、すべて酵素の働きなくしてはできないことです。
それだけでなく、呼吸をする、あるいは筋肉を動かすなど、酵素はすべての生命活動にかかわっています。いわば生命の源なのです。

 酵素には、身体の中でつくられる消化酵素代謝酵素の他に、食べ物から得られる食物酵素があり、これがとても重要なのです。

 キャベツにも酵素はたくさん含まれており、血中に滞っている未消化の糖の分解を促してくれます。すると、未消化の糖がたまってドロドロになっていた血液がサラサラになり、身体の中がきれいになります。
b血流や血行がよくなれば代謝も上がっていくため、瘦せやすい身体になるわけです。

 ビタミンCが抗ストレス性を強化するために欠かせないことはすでに紹介しましたが、目を酷使すること自体がストレスですから、そのストレスに対抗する手段は、やはりビタミンCをとる以外にありません。
そして、ビタミンCを十分にとると、その抗ストレス作用によって自律神経の働きが回復していくのです。

物忘れがひどい人はレシチンをとるべき

 レシチンという物質があります。

 これは、生命の基礎物質ともいわれ、細胞膜の50%、脳の40%、血管の90%を構成するといわれる物質です。

特に、レシチンは体の各器官から脳へと情報伝達する働きとも深く関わり、神経伝達物質アセチルコリンの原料となる点も重要です。

 レシチンが不足すると、細胞は自らをうまく再生できなくなります。その結果、免疫力が低下したり、疲労感が出たり、生活習慣病を誘発したりします。また、レシチン不足によって脳の血管に疲労物質がたまり、ストレス性疾患や精神疾患にも陥りやすくなるという影響もあります。

 認知症の人の脳内のきレシチン量を調べると、通常より減少していることが指摘されています。レシチンは、記憶や認知という脳の機能と密接に結びついているのです。

 その意味で、レシチンの摂取は、記憶を強化することにつながります。物忘れが激しくなったり、記憶力が衰えてきたりというときは、レシチンをたくさん摂取することによって、その回復をはかることができます。
また、より高い記憶力を身につけたいというときも、レシチンの摂取によって高い効果を期待することができると思います。

 レシチンは、卵の黄身、大豆、小魚、レバー、うなぎなどに含まれています。記憶力は、あらゆる勉強、あらゆる技術習得の根本に位置づけられる力ですから、ぜひこうした食材をとって、その向上に役立ててもらわなくてはなりません。

 なぜ味噌汁に癒し効果があるかといえば、味噌にはメチオニンという物質が多く含まれているからです。
 メチオニンは、必須アミノ酸の一種です。

メチオニンには、肝臓にたまった脂肪を分解したり、コレステロールのき蓄積を抑制したりする作用があり、一般にはこの肝機能を保護する効果の方が注目されています。