豊かさから幸福へ神野直彦氏 90%

 話題のスウェーデン映画「幸せの経済学」も、経済成長、つまり「豊かさ」を示す指標であるGDPが増加すればするほど、自然環境が破壊され、文化と伝統を壊して社会的危機が生じ、ついには金融危機から経済危機に陥っていると告発する。

そのうえで危機を生じている「豊かさの経済」から、「幸せの経済」へ転換するには、グローバリゼーションからローカリゼーションへとシフトすることだと結論づけている。

「幸福」を政策指標として、政策目標に結び付けていく試みは、途に就いたばかりで、躊躇に満ちている。
しかし、そうした試行錯誤から、新しき社会のビジョンを生み出し、危機を脱出する経済学のパラダイムを作り出すことが重要である。