日本は

 「成長後」社会のベストモデルを探していくという決意を固めて世界に宣言したらどうか。そうなれると思う。これから富は減る。職場も減る。

でも、少ないものを分け合ってやっていける――とみんなが決意すべきだ。

 日本は長いこと社会サービスで、優れた実践をしてきた。医療保険制度にせよ、公共交通機関にせよ、米国よりずっといい。町もずっと安全だ。いま日本も貧富の差が激しい社会に向かっている。米国の場合はもっと格差が広がっている。
しっかりとした中産階級を、経済成長をベースにして築くのではなく、「成長後」にどう維持できるかが、課題だ。

 歴史を振り返ってみれば、徳川時代は成長がなくとも続いた社会だった。当時としては世界最大といわれる100万都市、江戸は清潔な都市でもあった。応酬に比べて疫病大流行は少なかった。

人ぷんを肥料に使う一種のエコ社会で、都市が清潔だったからだといわれる。人々は移動せずとも、生まれついた場所でかなりレベルの高い生活を営めた。

 日本は、その過去の経験から、未来に提示だきるものをたくさん持っている国だと思う。

☆ 鬼塚氏