肺胞蛋白症    

  肺胞蛋白症とはどんな病気か

肺胞腔(はいほうくう)(空気を入れる袋状のところ)に脂質に富んだ蛋白様物質が充満してくる病気です。正常な肺胞の表面には表面活性物質(肺サーファクタント)があり、その結果、肺胞という袋に表面張力が作用して、肺胞がつぶれないようになっています。

貯留物質の主な成分はこの肺サーファクタントです。30〜50歳の喫煙男性に多く認められる病気です。

原因は何か

肺サーファクタントは肺胞をおおう細胞でつくられ、肺胞にいるマクロファージという細胞に取り込まれて分解されます。このためこの過程に障害が起こると、肺サーファクタントが必要以上に肺胞腔を満たすことになり、ガス交換が損なわれて呼吸器症状が現れてきます。

 原因不明の一次性のものと、免疫異常を引き起こす血液悪性疾患や感染症などによる二次性のものがあります。近年、一次性肺胞蛋白症の原因として、顆粒球(かりゅうきゅう)マクロファージコロニー刺激因子(GM‐CSF)の欠損やGM‐CSFに対する自己抗体の存在との関連が示唆されています。

症状の現れ方

初発症状として、活動時に息切れを感じることが多いのですが、無症状で胸部単純X線検査で偶然発見されることもまれではありません。

    ☆肺胞腔にEg入れ蛋白様物質ぬく