善悪二元論の時代から一元論へ

中矢氏 
 マヤ長期暦とどのような関係があるのかはわからないが、たしかに人類の歴史において、過去数千年間は、男性原理優位の時代であったように思う。男性原理とは、軍事・科学・理論によるタテ型の原理のことで、一方の女性原理とは、和合・精神・直観によるヨコ型の原理のことである(というふうに私は解釈している)。

 男性原理が主体の時代ではピラミッド型の社会構造が形成されるのに対し、女性原理が主体の時代ではフラットな、水平型の社会構造を形づくる。

 コルマン博士は、人間の脳にこれをあてはめ、男性原理が司る文明を左脳型の文明、女性原理が司る文明を右脳型の文明としている。もともと両者は一つであったが、いつの頃からか、二つに分離した。これが日本神話では、イザナギイザナミの離別という形で出てくる。まさにこれは、男性性と女性性の分離と見ることができる。

 この、有史以来続いてきた二元論、男性原理優位の時代が、ついに終わろうとしているのが、今回のマヤ長期暦の終焉なのではないだろうか。

本来は魂も肉体も同じであり、天と地も両方尊いとする一元論でなくてはならない。