シェール革命で日本は激変する 

地下数千層に大量に眠るとはかなり前からわかっていながら、肉眼では見えないナノレベルの岩盤のすき間に気体や液体で存在するがゆえにわずか数年前まで「絶対不可能」とされていた超微細のシェールガスやオイルの採掘。

bそれが米国の中小企業が起こした、水平堀りや水圧破砕など常識を超えた技術革新によって初めて可能となった。
 この革新によって化石燃料の寿命は少なくとも400年延びた。その影響の巨大さから、18世紀に英国で起きた産業革命になぞらえる声がある。「革命」と呼ばれるゆえんだ。

 日本にとって悪いことばかりではない。短期的には、米国にエチレン工場を擁するニッケイ化学メーカーが恩恵を受けることになる。

長期的にもメリットが多い。シェールガス・オイル掘削用の高品質のシームレス鋼管や炭素繊維を用いたLNG用圧力容器など、日本企業が圧倒的なシェアを占める素材や製品は少なくない。シェール掘削に欠かせない水処理技術も日本の独壇場である。

 米国は17年までにサウジアラビア、ロシアを抜いて世界最大の産油国になり、20年代には原油まで自給自足できるというのだ。

相次ぐ向上の米国回帰 「製造業が再生の時」 

テキサス州は優れた原燃料アクセスと良港を備えており、石油化学産業をはじめ製造業出荷額、輸出額ともに州別で全米トップを誇る。