微小脳梗塞とは

微小脳梗塞は、なんらかの原因で髪の毛よりも細い脳の血管が詰まり、酸素と栄養の補給が絶たれて、狭い範囲の神経細胞が死滅する、ごく軽い脳梗塞のことをいいます。

脳には1兆個の細胞があります。このうち大脳皮質では、脳内で情報を伝える神経細胞だけで、140億個あり、30歳を過ぎると、毎日10〜20万個は死んでしまうと考えられていますが、その最大原因が微小脳梗塞と考えられています。

微小脳梗塞になっていてもほとんど症状がなく、あってもごく軽いので気付かないことが多いため、別名、無症候性脳梗塞ともいわれています。ただ怖いのは、知らないうちにあちこちに微小脳梗塞が起こり、ついには脳血管性のぼけになる場合があることです。

脳梗塞は脳の血管が詰まって酸素が行き届かなくなり、詰まった周りの脳細胞が壊死する病気で、通常はマヒとか半身不随の症状が出ます。

しかし、1.5センチ以下の微小な脳梗塞の場合には、自覚症状があっても見逃すことが多く、本人はいたって元気なのが特徴だと言えます。

また、微小脳梗塞は老化に伴うシミやシワと同じように誰にでも起こりうることで、ことさら騒ぎ立てる程のことではないそうです。脳ドックのデータによると、30代から見つかり、40代では4人に1人、60代では半数以上の割合で見つかるそうです。 
          
脳梗塞の原因

脳の血管を詰まらせるのは血栓という血の塊が原因です。血栓(血の塊)ができる原因は、血管壁が傷ついたり、出血したときに、血小板が働いて、作られる物質です。

血小板の働きは、本来は出血を止める、体を守る機能ですが、血管壁の場合には血栓を作り、血液を詰まらせてしまうのです。体を守る機能があだとなっています。

はがれ落ちた血栓を「プラーク」と呼びます。「プラーク」が脳の末梢血管に詰まると脳梗塞を引き起こし、心臓の血管に詰まると心筋梗塞狭心症を引き起こします。しかし、微小な梗塞の場合には症状が直ぐ回復してしまうため見逃してしまうことが多いようです。

自己診断方法
目をつぶって両手を広げ、人差し指を身体の前でくっつける方法です。とんでもなくすれ違わなければ問題ないと言われています