薬をやめれば病気は治る岡本 裕 90%
ちなみにスティーブンス・ジョンソン症候群は最近よく話題にのぼりますが、日本語では皮膚粘膜眼症候群という長い名前がついています。
風邪薬や痛み止めなどの市販薬を飲んだあとに、薬の副作用としてこのSJSを発症する人がいるのです。2012年1月までの2年半の間に、なんと131人が死亡したと厚生労働省が発表し(2012年4月)、にわかに注目を浴びました。
睡眠薬、血圧の薬、便秘の薬、胃腸薬、糖尿病の薬、おしっこが出る薬(利尿剤)、痛み止めの薬、コレステロールを下げる薬、精神安定剤、血液をさらさらにする薬、抗生物質、風邪薬、貼り薬……などが定番となっています。
たとえばよくあることなのですが、血圧の薬を少しずつやめていって、3〜4週間ほど経つと、お年寄りが次第に元気をとり戻し、頭もしっかりとし出して、たちまちボケが治ってしまうのです。
そうすると、容易に想像がつくと思いますが、ご家族も驚いて、「奇跡が起こった、おばあちゃん(おじいちゃん)のボケが治った」となるのです。
あるいは、精神安定剤や睡眠薬を徐々に減らしていくと、やはりボケが治ってしまいます。そうするとまたご家族が大騒ぎになるのです。
実は、そのお年寄りたちは、もともとボケているわけではなかったのです。したがって、ボケが治ったわけではないのです。
お年寄りたちは、血圧の薬(降圧剤)で血圧を下げすぎており、農への血流が慢性的に不足していたためにボケているようにみえていたのです。また精神安定剤や睡眠薬を飲み続けていたお年寄りたちも、慢性的に脳の機能を抑えられていたために、ボケているようにみえていただけだったのです。
まず、大往生の一般的なシナリオをあげてみましょう。
心なしか、だんだん元気がなくなっていき、食べる量も徐々に減っていきます。それにつれて体重も減って軽くなり、肌も乾燥していきます。昼間に起きている時間が短くなり、口数も少なくなっていきます。そしてある日突然、さっきまで笑っていたのに、さっきまで機嫌よく食事をしていたのに、あるいは、さっきまですやすやと寝息を立てて眠っていたのに、次の瞬間には息をしていない……ということが起きるのです。
まるで、その“ある日”をご本人があらかじめ決めていたかのように、おおよそ1〜3カ月かけてだんだんと弱っていきながら、苦しみもなくそっとやすらかに息を引きとっていく――。
そんな大往生を遂げる人たちの多くに共通している点があります。
それは「点滴をしていない」「胃ろうを入れていない」「薬を飲んでいない」の3つです。いいかえれば、医者と薬とはあまり縁がないということになります。
世知辛いとはいえ、常識がまったく通用しない患者さんも少なからずいらっしゃいますので、医者も自分なりに身を守らなくてはいけないのです。
そんな背景もあり、患者さんのこめにと思って薬を減らしたとしても、結果次第で文句をつけられるなら、いっそのこと最初からリスクを避け、おとなしく標準治療だけをやっておこうという消極的な気持ちが働くのも否めません。
スティーブンス・ジョンソン症候群はおそろしい
2012年5月の報道をきっかけに、街の薬局で売っている風邪薬を飲んで命を落としたり、あやうく命を失いかけたりという人が少なからずいるというニュースが最近は世間をにぎわせています。したがって、さすがにいまは、「SJSを知らない」という人は少なくなったと思います。
「投与薬の数が増えれば、副作用の起こる可能性は指数関数的に高くなる」
薬を飲むことはギャンブル
古い話ですが、サリドマイド事件についてもみなさんには知っておいてほしいと思います。この事件のあとに政府がどういう対応をとり、新たにどういう問題が生じたか?そして、それがいまも繰り返されていることを知ってもらいたいのです。
サリドマイドは「妊婦さんにも安全な睡眠薬」というキャッチコピーで、1958年、日本の社会に登場しました。それまでの睡眠薬は赤ちゃんに奇形が起きる危険があったので、このサリドマイドは不眠をかかえる妊婦さんたちにとっては、福音ともいうべき画期的な薬だったのです。
風邪薬を飲むと治りにくくなる
たまに風邪をひきのは健康な証拠
マスクは風邪予防に効果的
骨粗鬆症の薬を飲み続けたらどうなるか
現在、この骨粗鬆症に対する治療薬の第一選択はジスフォスフォネート製剤となっています。これらビスフォスフォネート製剤は、骨を破壊する破骨細胞を壊死させることによって、骨の吸収を阻止しようという薬剤です。
一見、破骨細胞を壊死させることによって骨が壊れなくなるのは、たしかに治療効果として理にかなった優れたもののように思えます。
しかし実際には、骨は造る働きと壊す働きとを、同時に行いながらバランスを保っている生きた組織であって、人為的に壊す働きだけを一方的に止めてしまうと、ゆくゆくは不自然な結果を招来するのではないかと危惧しています。なぜなら、骨組織における代謝のリズム(造骨と破骨のリズム)を完全に狂わせてしまうからです。
自己治癒力が高まれば薬はいらなくなる
なぜ学校で薬の副作用について教えないのか
なぜ牛乳は体に悪いのか
乳幼児を例にあげれば、大きくなることは、ある意味ではいいことでしょう。となれば、効率よく成長を促してくれる牛乳は、体にいいものといっていいのかもしれません。
しかし大人になってからも、さらに成長を喚起し、どんどんと大きくなる必要があるのか?大きくなるということは、少し見方を変えれば細胞の数を増やす、細胞の数が増えることも、ある意味いいことです。