一生太らない食べ方

                               米山 公啓氏
 食事をすることで栄養分を吸収し、血液中のブドウ糖の量が増えると今度は視床下部の満腹中枢が働き、「ふう、お腹がいっぱいだ」となります。食欲にブレーキがかかり、食べることをストップするのです。このとき、脂肪細胞からレプチンとペプチドホルモンが分泌され、ブドウ糖と同じように満腹中枢に作用して食欲を抑制しています。

 早食いが過食の大きな要因。「やせる」ホルモン・レプチン。レプチン欠損症による重度の肥満者にレプチンを投与すると、マウスと同様に体重が減少。これらの実験結果は、体重増加を抑制するシステムを血眼になって探していた多くの研究者を驚かせました。

     満腹中枢を刺激するヒスタミン 

花粉症などのアレルギーに関連するヒスタミンも肥満に関わる体内物質です。

ヒスタミンもレプチンと同じように、食欲の抑制や消費カロリー量の増減に関わっています。

 また、ヒスタミンは消火器で重要な働きをします。ヒスタミンが消火器で分泌されると、唾液や胃酸などの分泌をコントロールして満腹中枢を刺激するのです。よく噛んでゆっくり食べることでヒスタミンの分泌が盛んになります。ここでもゆっくり食べることがポイントとなります。

     ムスクリンが多いと太りやすい 

ムスクリンは、運動や姿勢を保つのに必要な骨格筋という筋肉が分泌するホルモンです。

骨格筋には体内の糖分を調整する働きがあります。そこで、肥満のネズミを調べたところ、骨格筋からムスクリンが多く分泌されていることがわかりました。