がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人
近藤 誠 90%
Q and A
早期がんは「がんもどき」?
初発以外の臓器に移転があるか、ないか、2つに1つです。
「がんもどき」が、あとで転移することはないんですか?
「転移能力のない幹細胞」
「本物のがん」の転移を食いとめることはできない?
がん細胞の大きさは、約100分の1ミリ。本物のがんは直径0・1〜1ミリ前後で、転移を終えます。今の医学でがんと診断できるのは直径5ミリくらいから。だから人間が「早期発見」したときには、「本物のがん」はとっくに移転し終えています。
「本物のがん」と「がんもどき」を見分ける方法はありますか?
症状がないのに健診で見つかるがんは、ほとんど「もどき」。すい臓がんと、せきや血たんなどの症状のある肺がんは本物が多い。また経験を重ねると、病巣の大きさや見た目や手触りからも、ある程度見当がつきます。
一般には、早期がんを放っておくと、転移する性質に変わると言われていますね。
むしろ治療したグループの方が、がん死が増えることもあります。
がんはとにかく早期発見・早期治療が大事、という世間の常識は……?
国民の3人に1人ががんで死んでいるわけで、がん医療は、医療産業を支える大黒柱。みんなが熱心にがん健診を受けて、治療をしてくれないと医療は崩壊してしまうんです。
でも本当は、なにもしない方がラクで長生きできると?
そうです。発見されたがんが「本物」ならとっくに転移がひそんでいるし、「もどき」なら無害。運命は最初に決まり、現代の医学では変えようがありません。だから、どちらにころんでも治療は無意味です。実は多くのがん患者が、治療によって命を縮めています。
がんと診断されても切らずに治るものが多く、がんの9割に、抗がん剤は効かないからです。早期がんも進行がんも含めて、がんは原則、治療しない方がいい。
放っておけば最後まで痛まないがんが多いというのは本当ですか?
本当です。治療しなければ痛まないがんは、胃がん、肝臓がん、食道がん、子宮がんなど、けっこう多い。肺がんは呼吸困難になって苦しいと思われているけど、じっとしていれば、そんなに苦しくないんです。点滴で苦しむことはあります。
手術するとがんが暴れる、って本当ですか。
メスの入った傷口は組織のバリアーがくずれて、血液中を流れるがん細胞がそこに取りついて、はびこりやすい。それで一気にがんが増大することがあります。