悪性リンパ腫

 リンパ節あるいはリンパ組織(胸腺、扁桃脾臓など)に生じた腫瘍です。頻度は一〇万人に五人くらいの割合です。
原因は不明ですが、日本の南の地域に多い成人T細胞性白血病とよばれるものだけは、ウイルスによりおこることが証明されています。

悪性リンパ腫は、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫に大別される

腫瘍の組織的な違いから、大きくホジキン病と非ホジキンリンパ腫に分けられています。非ホジキンリンパ腫を、腫瘍細胞の増殖のしかたにより、「濾胞性」と「びまん性」に分け、腫瘍を構成する細胞の形によりさらに細かく分類しています。

腫瘍細胞の性質から、B細胞リンパ腫とT細胞リンパ腫に分類する方法もあります。

●首のリンパ節のはれで気づくことが多い。リンパ節がはれて気がつくことがいちばん多いと思います。場所としては頸部が多くわきの下、鼠径部がはれてくることもあります。

急激に大きくなった場合を除き、触っても痛くないのが普通です。全身症状としては、体重減少、寝汗、発熱などが見られる。扁桃・鼻・胃・腸・脾臓に病気が起こることもある。

【症状は】
 まずリンパ節が腫れますが、癌のできるリンパ節の部位によって、さまざまな症状があらわれます。
 縦隔リンパ節では喉に圧迫感があり、呼吸がしにくくなったり、物が飲込みにくくなったりします。
 また、頸部リンパ節では交感神経が圧迫さ札て、目や静脈にも症状が出ることがあります。つぎに貧血症状があらわれ、全身倦怠もおこります。また、免疫力の低下による帯状疱疹、肺の感染症などにかかることもあります。そして、脾臓の腫れ・皮疹などがみられることもあります。