天変地異

  今年の冬、米国では広範囲にわたって二重人格の天候に襲われている。寒波と春先陽気、干ばつと洪水である。その結果、ロッキー山脈を隔てて東部と西部では様相の まったく異なる自然災害に襲われている。

  中西部から東部一帯がこの冬、何回も厳しい寒波や大雪に見舞われていることは既報の通りであるが、ミネソタ州イリノイ州インディアナ州ペンシルベニア州などでは、先週末の春の陽気で雪が溶けて河が氾濫状態になりかかっていたところ、今度は再び襲ってきた寒波で、巨大な氷の塊で覆われて橋が使えなくなったり、河の流れが止まって川岸の住宅が倒壊する災害に 見舞われている。

  こうした気象の変化に近隣の住民はなすすべもなく、陸軍が出動して発電所から運んだ熱湯で氷と雪をとかす作業を見守っている。しかし、これから先数日は厳しい寒波が続くようなので、心休まる日はしばらく先になりそうである。

  一方、歴史的な干ばつに襲われて飲料水が枯渇したり、大規模な山火事に襲われてきたカリフォルニアなど西部地方一帯は、今度は大雨の襲来で洪水と土砂崩れに襲われようとしている。

 カリフォルニア南部では3日間で過去1年間の降雨量が予想されており、山火事で樹木が焼失し地表の土が流れやすくなっているグレンドーラ一帯では、大規模な土砂崩れが心配されている。