あなたを創る細胞のスーパーパワー

  細胞には個体と同様一種の選択の意志があり、外部環境に応じてどの遺伝子を発動させるかを決めるという。
 最初の事例は妊娠中にダイエットを母親がすると、生まれた子供が太りやすくなるとの研究が紹介されていた。

 これは胎盤の中で分裂を繰り返している幹細胞が、外部で飢餓状態が発生していると認識して脂肪細胞を多く作るようになるからだという。

  山中教授は「遺伝子の設計図はみんな同じだが、その遺伝子のどこを読むかは細胞に任せられていて、外部環境の変化で微妙に読む場所が異なってくる」と説明していた。

 幹細胞がなぜ神経細胞になったり脂肪細胞になったりするかというと細胞がそこの遺伝情報だけを読み取るからということになる。

  神経細胞は人間が生きるに必要最低限の回路の形成が終わると、「よっしゃ、これだけの回路で一生暮らしなさい」といって活動を停止してしまうのだそうだ。

 「それじゃ、10代を越えたらいくら勉強しても無駄じゃないか。成人教育などはしない方がましだ」ということになるが、実はそうはならない仕組みが神経細胞には備わっているという。

  それは最もよく使用される神経回路が太くなるという現象で、道路のイメージでいえば新規の道路は作らないが道幅の拡張工事を行って多くの自動車が通れるようにするようなものだ。
           ☆良い遺伝子にEg入れる