糖尿病の予防で認知症を回避!

糖尿病になると認知症を発症しやすいことがわかってきた。血糖値を下げるのに欠かせないインスリンの働きが弱まると、認知症の一つであるアルツハイマー病が起こるというのだ。

ということは糖尿病予防は認知症予防にもつながる。われわれはそのために何をすればいいのか。

  アルツハイマー病は、脳の神経細胞の性質が変化して細胞死することで、認知機能が失われていく病気だ。進行すると自分で摂食や排泄もできなくなり、ついにはほぼ寝たきりの状態になってしまう。

 この病気にかかった人の脳を調べると、ベータアミロイド(βA)というタンパクがたまって、「老人斑」という独特のシミができている。すでに触れたが「久山町研究」では、インスリンの働きが弱い人に、この老人斑がたくさんできていたことを突き止めた。


 「ベータアミロイドは神経の変化をもたらしますが、私たちの体には生体防御反応が備わっていて、それを防いでいる。生体防御反応を壊してアルツハイマー病を進行させてしまうのが、インスリン抵抗性や糖尿病だと考えています。」