かくれ脱水

 脱水症は、汗などで体液が失われた場合、そして体液の供給が不足した場合に生じます。

脱水症はなぜカラダに悪いの?

体液に含まれる水分と電解質は、生命の維持に不可欠な働きをしています。その体液が脱水症で失われるとカラダにさまざまなトラブルが生じます。

脱水症の症状は、水分が減ることによるものと電解質が減ることによるものの2つが複合したもの。

まずカラダから水分が失われると、それだけ血液(血漿)の量が減り、血圧が下がります。すると肝臓や消化器といった臓器を巡る血液量が減り、必要な栄養素を配ったり、不要な老廃物を排泄したりする能力がダウン。
脳の血流が減ると集中力が低下しますし、消化管の血流が減ると食欲不振が起こります。

同時に電解質が失われると、体液が濃い部分を薄め、薄い部分を濃くしようとする浸透圧が維持できなくなります。この作用はナトリウムイオンが多くを担っています。カリウムイオンやカルシウムイオンが不足すると、神経や筋肉に悪い影響が出てきて、脚がつったり、しびれや脱力が起こったりします。

脱水症の重症度は体重でもわかります

脱水症が「どの程度ひどい状態なのか」という重症度は、通常は体重の減少率を目安にします。

体重減少が1〜2%に留まっている場合は、脱水症がないか軽度の脱水症です。見た目にはわからない脱水症で、のどが渇いたり尿量が少なくなったりします(いわゆる“かくれ脱水”のことです)。

体重減少が3〜9%であれば、中等度の脱水症。中等度以上の脱水症になると、けんたい感、頭痛、嘔吐、めまいなどが起こり、喀痰(痰)を出すのが困難になったり、血圧や臓器の血流低下といった症状が出てきたりします。

10%以上になると高度の脱水症で重篤な症状を示します。