認知症

5年以内に約半数が認知症
軽度認知障害(MCI)

 MCIは、加齢による物忘れと認知症の間にあるグレーゾーンで、認知症予備軍ともいわれる。厚労省の調査によると、現在認知症の高齢者462万人に対し、MCIは400万人と推計されている。65歳以上の高齢者のうち4人に1人が認知症あるいは予備軍のMCIという計算なのだ。

 「加齢による物忘れとMCI、認知症の3段階を、それぞれ見極める必要があります。物忘れと認知症・MCIの違いは、「生活に支障が出るかどうか」です。

ただ人の名前が出てこない、などではなく、たとえば料理をしている時に、電話がかかってきたなどの特別な理由もなく鍋から手を放して、それを忘れて鍋を焦がしてしまった場合などは、認知症やMCIを疑った方がいい。

 そして認知症とMCIの差ですが、忘れたことを反省するかどうかが一つの目安になる。
認知症もMCIも、鍋を焦がすことは同じですが、MCIの人の場合、「気をつけてたんだけど」と言ってそのミスを反省します。

認知症だとさらに進んで、「そんなことあった?」とミスしたことすら覚えていない。

いずれにせよ認知症・MCIとも生活に支障が出るので、専門医の診断が必要になります」

 MCIは多くの場合、自分自身も周囲も普通の物忘れと思い込みがちだが、MCIの約半数が5年以内にアルツハイマー認知症を発症するという研究データもある。

認知症は一度発症すれば、抜本的な治療法がないため、投薬などにより進行を遅らせることはできても、完治することはない。

 だからこそ、MCIの段階でいち早く気づき、認知症になる前に手を打つことが重要なのだ。

毎日の緑茶で3分の1に

 効果的な認知症予防にはどのような方法があるのか。巷間、様々な食品や行動が「ボケ防止」に効く、と謳われてきた。だが、果たしてそれらは本当なのか。

「巷に流布するボケ予防の中で、本当に科学的に効果があると立証されているものがどれなのかを見極める必要があります。週に3日以上の適度な運動を行なっていれば、認知症の原因となる記憶を司る海馬の縮小を防止できるとメリーランド大学の研究チームが今年4月に発表するなど、軽い運動がボケ防止にいいというのは世界的な統計でも明らかになっている。


認知症患者を薬漬けにするブラック病院

 認知症は現在、根本的な治療法が見つかっていない。だが、認知症の市場だけが急拡大を続けている。

☆ MCI別紙