苦悩するECB

朝倉氏 フーチ 90%
「これは最後ではない」―ドラギ総裁は念を押しました。6月5日、ECBはマイナス金利を含む包括的な金融緩和策を発表したのです。

ECBとしては、何とか域内経済活性化のために銀行による積極的な資金供給を促したいという苦肉の策でした。実際、マイナス金利導入後ユーロ圏で起こってきたことは、まさに資金の安全資産への逃避だったのです。

 主要通貨にはドル、ユーロ、円とありますが、「通貨安競争」という面から考えると、ユーロはどうしても分が悪いのです。それは、通貨安に誘導するための政策的な切り札、「量的緩和政策」を取れないからです。

 今回のユーロ圏における低インフレ傾向は簡単に収まるものではないことを意識していることを示しています。ところがこの量的緩和政策がユーロ圏では難しいわけです。






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