国際政治を見る視点

片桐 勇治氏
フーチ 90%

国際政治のリアリズムは、「戦争」と「お金」を中心に観察することで最も合理的に説明できるものと考えています。
ドイツは第一次世界大戦の戦後賠償をいつ払い終えたでしょうか?答えは2010年です。途中、賠償支払が中断された時期もありましたが、実に現在から4年前です。2010年に賠償金を支払い終え、その後、ドイツは劇的な動きを開始します。2012年暮れにドイツは、英米仏に預けていた総量2,360トン、時価10兆3,840億円(1g=4,400円で換算)の金(gold)を8年かけて返還するよう発表しました。

1)国際社会の動きは極めて長期で動く(20年、30年、40年、60年、90年、99年)
2)一度取り決められた事(契約)は何があっても履行される(させられる)
3)国家間若しくはそれに類する組織でのやり取りの根本は金(gold)(もしくは戦略物資)で、これが国際社会を動かす

例えば日露戦争で日本が海外から調達した13億円は、1950年代以降の日本なら、造作も無い金額です。しかし、返済が1986年にまでなったのは、返済金額が額面ではないことを意味します。
通常、借り入れた金額に、金価格の変動分を掛け算して返済額を決めるのです。要するに国家間でのやり取りの本質は金(gold)を中心とした物々交換で、お金というものが一瞬にして紙切れになることをわかっていれば当然の措置なのです。

この「2013年 日本独立」を簡単に説明すると、その始まりは1951年、当時の吉田首相が講和条約調印のため、サンフランシスコに赴いたことが発端です。それ以前から吉田首相は米国に30億ドル(現在の価値で30兆円)の復興資金融資の要請をします。

最初は米国も資金難から断っていましたが、ロスチャイルド系のサッスーン財閥が融資を申し出、それを米国が保証するという形になりました。この秘密融資を中心に、形を変えた倍賞などを背景として、サンフランシスコ講和条約調印と同時に「密約」として、日本は自衛権、電波権、航空(管制)権を一種の担保として差し出しました。

この契約が1952年4月28日の日本の主権回復から起算して60年満期となる2013年4月27日に終わり、翌28日から独立がなされることを、この三権の最近10年の変遷が独立の日と同期していることを示し、結論しました。
だから、憲法も安保条約も、実は見せかけにすぎないのであって、日本をしばっているのは、この密約なんだよ。したがって、日本の国内にも核はあるんだ。(中略)その時、アメリカはこういうのですよ。

「米中が手を握り、日本の国内がゆさぶられてもくずれないような体制になった時には、あの覚書の密約――これは石橋湛山さんを除いて歴代の総理がみんなサインしているそうだが――これを白紙に戻してもいい」。

国際ジャーナリストの日高義樹氏が、今年に入って次のように述べています。「アメリカは2014年以降、本格的にアジアから引きあげる。(中略)日本にアメリカの基地はあっても、アメリカ軍がまったくいない状況になる」(PHP Biz Online衆知3月13日12時0分配信)。

そして、昨今の非常に急がれている集団的自衛権の議論はこのことの裏返しと言えます。上記の小日向氏の証言で、「日本の自衛隊はいったん戦争が始れば、全部アメリカの指揮下に入らなければならない」とあります。敢えて集団的自衛権と定義するのは、その指揮下に自動的に入らない状況を意味します。離れ行く米軍にしがみつくというのが実相でしょう。

この三権の放棄は、軍事的機能の自主性喪失を意味します。同時に日本を拠点とした米軍の軍事活動の自由を保証します。そしてこのことは1951年当時を考えれば、以下の理由があったものと考えます。

1)日本の再軍備化を防ぐため
2)融資したお金の取り立てを確実にするため
3)米国の世界戦略(朝鮮戦争の後方支援基地)。

話は2年程前から私も耳にしています。朝鮮半島情勢では、中韓接近や、日朝接近が既に生じています。日朝接近にはロシアが介在し、同時に米国も関わります。また北朝鮮は、昨年から世界の資金が集まるタックスヘイブンとなっていることや、米英で北朝鮮観光ブームという記事も出ています。これまでの常識で考えると状況を逆に解釈する事態が既に進行しているわけです。

この期間において、世界の構造・対立軸は「インターナショナリズムグローバリズム(「ナショナリズムグローバリズム」)、「王族連合対国際金融資本(石油資本、軍産複合体、金融資本)」、「人間主義新自由主義」です。基本は「王族連合対国際金融資本(石油資本、軍産複合体、金融資本)」で、「インターナショナリズムグローバリズム」とも私は表現しています。