先行きが見えない欧州経済

朝倉氏 フーチ 80%
 ついにドイツも異常な低金利状態に突入したのです。ただごとではない欧州経済への懸念。

欧米とロシアとの対立は決定的となり、追加制裁が発動されたわけですから、関係悪化の具体的な影響が訪れるのはこれからということになるわけです。

しかし、その前段階の4−6月期で、すでにユーロ圏経済の勢いは落ちてきているわけですから、今後はさらにこの落ち方が加速するという懸念が広がっているのです。今迄ドイツは経済は好調と思われ、その先導役は輸出だったのですが、ロシアへの輸出が今後も減り続けることは必至です。

 今まで欧米の金融市場で資金調達を続けてきたロシアの資源会社を初めとする大手企業は、いきなり資金調達の手段を封じ込められたのです。

 ドイツのロシアへの輸出ですが、4−5月は前年比17%の減少です。中小企業は顧客の数や販売地域が限定されています。
当然ロシアとの取引の比率が大きいところは深刻な経営問題に発展しているのです。大企業であればロシア向けの輸出品を他の国に回すことも出来るでしょうし、少々売上が落ちても経営危機に発展するまでは行かないでしょう。

しかし中小企業では得意分野が限られていますし、輸出先の代替を他地域に簡単に振りかえるというわけにはいきません。

 エネルギー輸出が大半のロシアは影響を受けず、欧州側は弱い企業や零細な農家などが狙い撃ちされて多大な影響を被っているのがわかります。

 ロシアはエネルギーという絶対的な武器を、どこで使い、欧州側に揺さぶりをかけてくるでしょうか?おそらくそれは「冬」ということになるでしょう。