副腎が健康を呼ぶ!

上村 正志氏+時空研


 2010年の厚生労働省の国民生活基調調査に、こんなデータが出ています。35〜39歳、40〜44歳の調査対象者が訴えているカラダの不調のベスト3は、1位→肩こり、2位→腰痛、3位→カラダがだるいというデータです。
 ほとんどのホルモンは、齢をとるに従って減少していきます。アンチエイジング医療で最も成長ホルモンは、20歳をピークにしてあとは下降の一途を辿ります。

     若返りのホルモンDHEAとは?
DHEAは体内年齢の指標になるホルモンですから、別名、「若返りのホルモン」ともいいます。DHEAがストレスに対抗します。ストレスに対抗するホルモンにはもうひとつ、コルチゾールというものがあります。コルチゾールとDHEA、ふたつのホルモンは常にセットで働きます。

 ストレスがかかると、カラダはそれに対抗するために、コルチゾールを分泌します。コルチゾールは血糖値や血圧を上げる働きをもつホルモン。外敵から襲われたとき、闘うにしろ、逃げるにしろ、命を守るためには多くのエネルギーが必要です。
 ですから、ここぞ、というときにはコルチゾールの働きで、カラダを動かす直接のエネルギー、血糖値を上昇させる仕組みがあるのです。

 コルチゾールによるカラダの酸化を防いでくれるのがDHEAです。

また、コルチゾールがストレスホルモンなら、DHEAは、抗ストレルホルモン。コルチゾールが酸化ホルモンなら、DHEAは強力な、抗酸化ホルモン。ふたつのホルモンは相反する働きで私たちのカラダを守っています。

 DHEAは3本の支流のうちのひとつの川の漂流です。DHEAの下流には男性ホルモンがあり、そのまた下流に女性ホルモンがあります。このように、DHEAはどんどん他のホルモンに転換されていくのです。

 DHEAは採取的には50種類ものホルモンに転換されます。まさに、ホルモンの源流です。このことから、アメリカではDHEAを指して、「ホルモンの母=マザー・ホルモン」と呼ぶこともあります。

DHEAが足りなければ、すべてが機能しない
 コルチゾールの値がすごく高いままの状態が続くと、カラダが酸化して老化のスピードが増します。それでも無理を重ねると、今度はコルチゾールそのものが出なくなって、カラダばかりか心にも支障が現れることがあります。


副腎は「副(サブ)」ではなく、大事な臓器

 ホルモンはカラダの中の特定の場所、内分泌器官から分泌されます。脳の下垂体という部位、甲状腺、肝臓、すい臓、精巣、卵巣などといった器官がそれに当たります。そして副腎もまた、さまざまなホルモンを作っては出している重要な内分泌器官です。副腎で作られているホルモンの種類は、50種以上にのぼります。

実はスーパーホルモン、DHEAの製造工場は、ここ副腎です

 非常に小さくて目立たない副腎という臓器は、戦いのホルモンであるコルチゾールやアドレナリンを出す一方で、カラダを守るDHEAを同時に出す、とても複雑な臓器。副腎なしに、私たちはストレスに対抗して生き延びていくことができません。ふたつある副腎が万が一、両方機能しなくなると、私たちは30分で死んでしまうといわれています。
副腎が疲れて慢性疲労状態に

アドレナル・ファティー

 副腎の役割は、ストレスに対処してカラダを守ること。その副腎がさまざまなストレスに曝され続けると、著しく機能が低下してしまうことがあります。この状態を、「副腎疲労症候群」といいます。
 副腎機能と内分泌系機能が健康に及ぼす影響についての研究の第一人者、アメリカのジェームズ・Lウイルソン博士は、これを「アドレナル・ファティーグ」(アドレナル=副腎、ファティーグ=疲労の意)と名付け、臨床現場で多くの患者さんの治療に携わっています。その臨床経験はおよそ30年にわたっています。
「症候群」というのは、さまざまな症状が見られるのが特徴で、糖尿病やがんのように、これと決まった分かりやすい病状がありません。たとえば、肉体的、精神的な疲労が6か月以上続く慢性疲労症候群などがそれに当たります。副腎疲労症候群も同様です。
 怠け病と誤解されやすい副腎疲労症候群。副腎疲労症候群をわ患っている人に総じてつきまとうのは、疲労感です。
 コルチゾールが出ている間、まだカラダは頑張れます。かろうじてストレスに対処するエネルギーを確保できるからです。やがて、副腎が疲れ切ってコルチゾールさえ十分に出せなくなってくると、いよいよ本格的な副腎疲労症候群です。
☆副腎にEg入れ、ウイルス・菌・化学物質ぬく

☆副腎之DHEAホルモン産生遺伝子にEg入れ、プラ大かける